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2010/10/19

負けても懲りない〝楽天家〟星野仙一の〝欲得銭戦計算〟と〝野球オンチ〟楽天三木谷の〝ノー天気〟ぶり

「星野仙一が楽天監督を引き受けた」とのニュースに接して、「今度は阪神を裏切ったか」と思った。
〝銭まみれスポーツマン〟〝球団私物化の常習犯〟星野仙一が、遂に本性をあらわしたといえる。

 中日監督をクビになった腹いせに、こともあろうに、一年間という最低限のインターバルもおかずに、その足で同じセリーグのライバル球団の阪神の監督になった男である。
 いづらくなると、すぐ逃げる。
 それが〝星野流〟であり、プロ野球のことを知っている人間は、もはや彼の行動には誰も驚かない。阪神ファンも、遅まきながらそのことに気づいたのではないか。

 義理とか恩とかはまったくなく、ドライで銭勘定にたけ、計算高くて口だけが達者な男の典型が星野仙一だが、義理も人情もあるように吹きまくるから、たちが悪い。
 そういう男をバックアップしている財界人がいるから、手に負えない。そういう財界人には「星野をバックアップすることは、自分も星野と同じように思われる」という正常な感覚が欠如しているわけで、そういうのをトップにいただく企業の社員は気の毒である。

 星野仙一には、どこのチームでもいいから、監督になりたいという切実な思いがあった。北京オリンピックで惨敗して大恥をさらし、日本国民の総ブーイングを受け、マスコミに叩きまくられたその汚名返上をWBCで果たそうと裏工作をしていたが、世間がそれを許さず、原辰徳に優勝監督の名誉をひっさらわれたことは、記憶に新しい。

 侍ジャパンがWBCで韓国を退けて奇跡とも思える優勝を飾ったとき、チームリーダーだったイチローは原を讃えたが、星野の名前を出されるとムシズが走ったような表情になった。イチローが高校生だった頃、彼は子どもの頃からの大ファンだった地元の中日に入団を希望したが、それを知って入団に反対したのは当時の中日監督だった星野その人だったことも関係あるだろう。

 星野の野球センスは、そのレベルである。

 今シーズンも、日テレの「NEWS ZERO」キャスター村尾信尚が9月はじめの同番組のなかで、当日のゲストコメンテーターだった星野に「優勝チームはどこか」と聞いたとき、星野は当時の順位だけを見て、「阪神、それに巨人」と断言した。〝ドラゴンズ圏〟の岐阜出身の村尾が、「3位の中日は」と問うと「ダメでしょう」と一刀両断のもとに切り捨てたことがある。
 かつて二度も中日の監督を経験していながら、そういう言い方はないだろう。野球人以前に、人間として失格で、のときテレビを見ていた中日ファンは、「星野の野郎、あんなことをいいやがって」と思ったはずである。中日の選手は、「今に見てろ」と思ったのではないか。

 星野は、最下位を低迷していた阪神を優勝させたことで、「男を上げた」と思っている。その成功体験が忘れられず、北京五輪の屈辱を楽天で晴らそうと考えているのだ。星野は、阪神のSD(シニアディレクター)として、自分の後継者の岡田や真弓をバックアップして勝てるようにしてやらなければならないが、足を引っぱるようなことを平気でやった。
 自分を抜いて阪神の名監督になられるのを嫌がるような、みみっち気持ちも星野の内心にはあるようで、阪神ファンもそういうことがわかってきた。
 
 落合博満が優勝回数で「中日の歴代№1監督」になったことも星野には不愉快で、楽天の監督になって交流戦で落合と中日を叩きのめそうという下心もある。

 阪神は、野村克也が三年計画で再建途上だったときに、野村は、悪妻の「コロムビア大学卒」だのなんだといった嘘発言で阪神のイメージを落とし、クビを切られた。
 おいしい状況になっていたところへ、中日を解雇された腹いせに飛びついたのが星野だった。
 常識的には、星野が同じセリーグの他球団い移るということは考えられないから、仲介役として星野と近い財界人が裏で動いた。
 星野は「中日監督時代に入手した各チームの弱点やら攻略法やらのマル秘データ」や「中日内部の極秘資料」を手土産にして契約料を吊り上げ、常識ではありえない、「解雇即同チーム監督就任」という、〝同義なき行為〟に走ったのである。そのために、めったにない中日の「OB会除名」と相なった。
 湯水のごとく金を使うのは読売巨人の常套手段だが、それでも勝てない時代があったから、金をかけても阪神を優勝させたのは立派という見方もなくはないが、一般人の感覚では、「あんなに金をかけて大物をそろえても勝てなかったのは、監督の采配が悪いか、適材適所でなかったから、持てる力をふるにはっきできなかったからじゃないのか」ということになる。

 星野流は、時代遅れの〝金田正一流〟で「気合だ! 気合だ!」のガッツ野球。
 スポーツに気合は必要だが、それだけで長いシーズンは闘えない。気合が空回りすると立ち直れるものも立ち直れなくなってしまう。
 
 落合の現役時代は、「こいつ何を考えて打席に立っているのか」と思うほど淡々としていた。清原みたいにファイトむき出しで打席に立っていたら、妙に肩に力が入って三振してしまう。
「練習して体に覚えこませる。練習しまくって、体が反射的に動くようにする」
 というのが落合式練習法だが、これは「ただガッツだ! ガッツだ! たるんでいるからミスするんだ」怒鳴りつけてキャッチャーの中村あたりをベンチ裏で殴りつけ、アザを作ってベンチに戻ってきた中村の顔を見たほかのナインに「おお、こわ」と発奮させるのとはワケが違う。

 星野流は、1年目は通用するが、2年目になると神通力を失う。過去の例がそのことをハッキリ示している。星野が監督をしたときのチームは、2年連続して優勝したことはないのである。

 楽天の三木谷は野球がよくわかっていない。買収したのは、ホリエモンのまね。最初の監督として指名したのは田尾だったが、1年で首を切った。短期決戦は、IT産業の得意技だ。
 野村はもう一年やりたがっていたが、小便が近い野村や、悪妻が昔のことを忘れて、野村のマネジメントにかこつけて、何かにつけてシャシャリ出てくるのも目障りになり、ひと悶着あって名誉監督なる地位に祭り上げることでお茶を濁し、マット投げしか得意技のない外国人監督を新監督の座に据えた。その時点で、最下位は予想できた。
 楽天は、そういう情けないチームなのだ。

 口先上手な星野は、野球をよく知らない三木谷を騙して、楽天との〝銭戦〟に勝った。ダントツのというか、ダンケツの最下位の楽天だ。誰がやっても今年ほどひどい成績にはならない。そういうところも計算高く、シーズン中から狙って、水面下で、「こうしたら勝てる」などと公言しつつ動いていたのである。失敗ばかりしてきた男に、また白羽の矢を立てるプロ野球界は、極端な監督人材不足ということか。

(城島明彦)

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