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2010/09/30

池内淳子の死を悼む――彼女の主演映画「けものみち」(松本清張原作・須川栄三監督)は凄い

 池内淳子が亡くなったという。
 つい先日、「けものみち」(1965年東宝作品)のDVDを借りてきて、「この映画の池内淳子は凄いな。彼女は今、どうしているのだろう」などと思いながら見たので驚いた。
 彼女の代表作である「けものみち」は、今から40年前も白黒映画で、2時間20分の大作である。興味のある人は、ぜひ観てください。

 池内淳子は、最初新東宝にいて、テレビドラマの「日日(にちにち)の背信」(丹羽文雄原作)に主演し、人気女優になったが、社長の大蔵貢がそれを面白く思わず、女吸血鬼という汚れ役(「花嫁吸血m魔」「女吸血鬼」。どちらもDVDあり)をやらされ、それに嫌気がさして同社を辞め、東宝に移ったといわれている。
(ただし、その映画を見る限り、個人的な感覚では、それほどひどい役とは思えない。ほかにもっと大きな理由があったのだろう)

 「けものみち」という映画だが、池内淳子は、割烹旅館の仲居に扮し、客として来たシティホテルの支配人(池辺良)にそそのかされて、寝たきりの亭主を家ごと放火して殺害し、政財界の黒幕(小沢栄太郎)の妾におさまる大悪女を大熱演した。
 亭主殺しの犯人だとにらんだ刑事(小林桂樹)が、しつこく彼女を追いかけ、日本を揺るがすような真相が背後に絡んでいることつかむが、絵に描いたような政官財の癒着構造に阻まれ……という内容の映画である。

 小林桂樹も熱演していて、「うまいなあ。こういう演技ができる人は、今はいないな」と改めて感心した。
 
 フィクサー役の小沢栄太郎の老けメイクといい、ドスケベな演技といい、これも凄い。
 
 小沢栄太郎ははるか昔に冥途へ旅立ち、小林桂樹も先日鬼籍に入り、続いて池内淳子も亡くなった。

 昔は、くだらない映画もいっぱいあったが、こういう骨のある映画もたくさんあったのである。

(城島明彦)

民主党の細野豪志が「菅親書」を携えて密使として訪中したって?

〝山本モナとフライデーされた〟過去がある、あの細野豪志民主党議員が、密使として中国に飛んだらしい。
 細野が太野になって、女相手ではなく〝男を上げる〟チャンスか!?

 菅直人も、なかなかやるじゃないか。
 ただし、国辱的なことが書かれていたら、マスコミや国民から袋だたきにされるが、納得できるような内容だったら、支持率はまた上がるぞ。

 28日頃から、中国の女性報道官のトーンが急に柔かくなったのは、「密使を送るが、受け入れてくれるか」ということを打診していたからなんだろうね。
 トーンが柔かくなったとたん、レアアースの禁輸も解いた。

 沖縄の普天間基地問題でも、オバマやクリントンに対し、同じことをやっていたら、あんなにたたかれることはなかったのにね。
 沖縄県民は、日中戦争勃発という万が一の事態になっても、沖縄が戦場になるとは思っていないから、説得に骨が折れる。
 駐留米軍が日本各地から撤退するのは理想的だが、それを実現させるには、GDPの1%レベルの軍事費では話にならない。

 中国と対立するのはお互いに失うものの方が多く、決して得策ではないが、今回の尖閣諸島沖の中国漁船衝突事件は、〝平和ボケ〟した日本の国民の国防意識を目覚めさせるには、いい機会にはなったね。

(城島明彦)

2010/09/28

資源を求めての中国の版図拡張主義は、戦前の日本と同じ。尖閣諸島沖は日米連合艦隊で守れ!

 中国漁船衝突事件からわかったのは、中国のあくなき領土・領空・領海拡張主義であり、中国という国は表の顔と裏の顔が極端に違うということだ。
 尖閣諸島海域に石油が埋蔵されているということがわかってから、中国が触手を動かしたという事実は、動かしがたい事実である。
 尖閣諸島海域への中国漁船侵犯は、中国の海上南下政策を背景にしている。

 資源に対する中国の貪欲さは、すさまじい。日本のように資源のない国というならわかるが、中国には豊富な資源がある。にもかかわらず、異国の領海を侵犯してまで資源獲得に走っている。
 資源のない国日本が、かつて資源を求めて中国や南方に進出を企て、権益をめぐって米英蘭などとの第二次大戦に突入したのと同じことを、今の中国はやりつつある。

 中国漁船は、尖閣諸島事件より前に、海底油田があるインドネシアの排他的経済水域で今回と同じような事件を起こしており、危険がいっぱいだ。
 だが、こういうことを続けていけば、中国はやがて孤立する。そうなると、さらに怖い。ナチスドイツ、大東亜共栄圏の日本と同じように、世界に対して牙をむくことになる。中国には、何をするかわからない怖さがある。
 ベトナム、インドネシア、フィリピン、マレーシアなど、現在、海域を中国におびやかされている東南アジア諸国と日本は手を組み、アメリカの援護を得て、中国の異常なる海上南下に歯止めをかけないといけない。

 海上自衛隊の巡視船などでは手ぬるい。日米安保条約にのっとって、この際、一大決意をして、日米連合艦隊を編成し、尖閣諸島沖へ派遣し、中国の動きを完璧に封じ込めるべきではないか。

 民主党議員の一部が政府の弱腰に抗議しているが、そのなかに「中国人船長釈放を撤回せよ」というのがあった。不可能なことを主張してどうするのか。撤回を中国に要求し、日米連合艦隊を尖閣諸島海域に派遣せよというのならわかるが、ただ咆えていても意味がない。

 外務省が尖閣諸島の領有権について基本見解を発表しているが、そこに記されているように、同諸島は中国の領土なんかではない。(重要な内容が記されているので、基本見解を以下に流用する)

外務省の「尖閣諸島の領有権についての基本見解」
 尖閣諸島は、1885年以降政府が沖縄県当局を通ずる等の方法により再三にわたり現地調査を行ない、単にこれが無人島であるのみならず、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重確認の上、1895年1月14日に現地に標杭を建設する旨の閣議決定を行なって正式にわが国の領土に編入することとしたものです。
 同諸島は爾来歴史的に一貫してわが国の領土たる南西諸島の一部を構成しており、1895年5月発効の下関条約第2条に基づきわが国が清国より割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれていません。
 従って、サン・フランシスコ平和条約においても、尖閣諸島は、同条約第2条に基づきわが国が放棄した領土のうちには含まれず、第3条に基づき南西諸島の一部としてアメリカ合衆国の施政下に置かれ、1971年6月17日署名の琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(沖縄返還協定)によりわが国に施政権が返還された地域の中に含まれています。以上の事実は、わが国の領土としての尖閣諸島の地位を何よりも明瞭に示すものです。
 なお、中国が尖閣諸島を台湾の一部と考えていなかったことは、サン・フランシスコ平和条約第3条に基づき米国の施政下に置かれた地域に同諸島が含まれている事実に対し従来何等異議を唱えなかったことからも明らかであり、中華人民共和国政府の場合も台湾当局の場合も1970年後半東シナ海大陸棚の石油開発の動きが表面化するに及びはじめて尖閣諸島の領有権を問題とするに至ったものです。
 また、従来中華人民共和国政府及び台湾当局がいわゆる歴史的、地理的ないし地質的根拠等として挙げている諸点はいずれも尖閣諸島に対する中国の領有権の主張を裏付けるに足る国際法上有効な論拠とはいえません。

(城島明彦)

2010/09/25

政治家は評論家ではない、実行してナンボだ

 昨今の政治家は、堕落した。というより、ひどすぎる。9月18日(土)の「朝ズバッ!」を見ていて、その感を強くした。

 テレビにゲスト出演した国会議員たちのコメントを聞いていて、腹が立った。
 まるで評論家だ。自民、公明、みんなの党……どいつもこいつも、評論家だ。まるで他人事みたいに、尖閣諸島問題を批判し、論評する。政治家は、一市民、一国民ではないのだ。

 尖閣諸島問題では、誰だったか、「1960年頃の中国の教科書には尖閣諸島は中国の領土になっていない」と発言していた。
 もしそれが事実なら、なぜその教科書をテレビで流さないのか。中国に見せないのか。

(18日の「朝ズバッ!」には山本一太、松木けんこうら、「こう発言すれば視聴者に受ける」「こういえば、テレビ局が喜ぶ」ということをよく知っているテレビ慣れした連中が何人も出ていた。いつもいつも、そういう顔ぶれを選ぶ根拠が視聴者に伝わってこない。癒着による人選なのか、テレビ局による世論操作のつもりなのか、いつもほとんど同じ顔ぶれだ。芸能プロとの癒着による「ワイドショーのコメンテーターの固定化」と似ている。テレビの報道番組は、もっと人選を厳しくし、なるべく多くの政治家を出すようにした方がよい)

 教科書問題や靖国神社問題では日本を売るような情報を中国や韓国にこっそり流すというようなことは平気でやるくせに、日本が危機的状況にあるときには国を救おうとはしない。そんな輩(やから)は政治家ではない。
 北朝鮮の拉致問題も同様。

 安倍晋三も、首相のときはよれよれで何もやれなかったくせに、今頃になって咆えまくっている。評論家になってどうする。

 どいつもこいつも、情けない奴ばかりだ。だが、元をたどれば、そういう連中を選んだ国民自身が悪いということになる。
 先の参院議員選挙でも、民主党議員に入れないとどういうことになるかということを深く考えずに投票し、その結果、政治空白は生じるし、中国にますます付け入られることにもなった。

 国会議員は、実行してナンボだ。テレビでご高説を垂れるなら、それを実行してみせろ。
 個人的な裏ルートを使ってでも実行してみせろ。
 もしルートがないなら、それを開拓してでも、中国と裏で渡り合って日本のためにつくせ。
 自分の力で実行できないなら、こうすべきであると政府に直接アイデアを提供しろ。
 何もできないのなら、偉そうなことをいうな。それでもいいたかったら、国会の場で直接いえ。

 小沢一郎事件での検察能力の低下といい、村木厚労省局長事件のお粗末さといい、尖閣諸島事件での那覇地検の越権発言といい、検察も完全にイカレている。
 人間の体と同じで、どこか一か所だけが具合が悪くなるということはない。
 憲法・法律・裁判制度など、もろもろの日本の司法制度が〝制度疲労〟を起こし、根本から揺らぎ始めているという証拠だ。裁判官や弁護士も、頭はいいが、人をさばけるに足る人格者ではない者が増えている。裁判官や検事や弁護士が、一般人とかけ離れた発想・考え方をしなければ、裁判員裁判制度など導入する必要はなかった。
 
 今の日本人は、昔の日本人ではない。明らかに変節した。そう思わざるを得ない事件や出来事が多すぎる昨今である。

(城島明彦)

2010/09/24

中国の〝大人げない圧力〟に屈した「中国漁船船長釈放」のタイミングの悪さ

 国連総会に出席した菅直人とオバマおよび前原誠司とヒラリー・クリントンとの両会談で、「尖閣諸島は日米安保の適用範囲」(尖閣諸島=日本の領土)という認識を中国に知らしめたと考えたのか、衝突してきた中国船籍漁船の船長を解放すると(沖縄地検は)発表したが、タイミングが悪すぎる。

 自覚のないフジタのバカ社員4人が、この時期に軍事施設を撮影したとして逮捕されるという事件も起き、中国に弱みを握られた。

 中国は、温家宝発言だけでなく、レアメタルの対日輸出禁止で脅し、上海万博への出展ストップで脅し、一方的情報で国民を洗脳してデモやサイバー攻撃をやらせるように仕向けたり、えげつなさすぎる。大国がやるべきことではない。

 中国の今回の超高圧的姿勢は、靖国神社問題、教科書問題などで中国のいうままになってきた日本の弱腰外交の延長線上にある。

 中国は、覇権主義・侵略主義・中華思想をバックボーンとして、これまで弱かった海軍力を増強し、日本海から太平洋まで進出しようとしており、尖閣諸島の領有権主張は、そのとっかかりに過ぎない。
 沖縄から米軍基地がまったくなくなったら、沖縄は中国海軍の脅威にさらされる危険性があるということを、沖縄県民も認識する必要があるのではないか。

 日本政府は、自民党時代を含めて、まだ敗戦国意識から抜け出していない。日本は、情けない国になり果てた。

(城島明彦)

2010/09/21

尖閣諸島の中国漁船衝突事件の「ビデオがある」と前原大臣は発言しているが、なぜ公開しないのか

 尖閣諸島近辺の海域での中国漁船と海上保安庁巡視艇の衝突事件で、前原外務大臣は、国交大臣時に「ビデオが存在する」と明言している。

 なぜそれを中国や世界に公開しないのか。

 衝突状況がわかれば、中国は黙るのではないのか。世界の世論も日本に味方するのではないのか。

 公開できない理由は何か。

(城島明彦)

2010/09/17

「本当にあった怖い話」は、「本当にあったかもしれない話に尾ひれがついた嘘話」がほとんど

 「本当にあった怖い話」が流行っているが、そのほとんどは眉唾(まゆつば)ものと思って間違いない。実際に幽霊を見たという場合も、目の錯覚(自然現象を見まちがえるなど)、幻覚、夢と現実の混同によるものがほとんど。
 怖い話をぞくぞくしながら楽しもう、楽しませたいという気持ちが、そういう話を生む原点にある。

 まったくないのに、本当にあったといって、でっち上げた話も多い。
 そういう話で銭儲けをするのは、詐欺のようなものである。

 本当にあった怖い話とされるのは、場所が、墓地、廃病院、古戦場跡、処刑場跡、惨殺事件があった家や土地、殺された死体が遺棄された場所(井戸、沼など)、事故死者が出た場所(トンネル事故、火災事故、交通事故などの現場)など、いくつかのパターンに大別できる。

 幽霊が出る場所は、人の死に関わる場所がほとんどで、暗くて、じめじめとした人気のないところが多い。真っ昼間の太陽がギラギラ照りつけているような時刻や人がいっぱいいるような場所には出ない。
 化けて出る人間は、「この世に未練や怨みを残して死んでいった者」「人知れず殺されて、霊がさまよい、成仏できずにいる者」と相場が決まっている。生まれてくるはずなのに堕胎された胎児の霊(水子の霊)というのもある。

 まれに、きちんと葬儀をし、化けて出る恨みなどなく、成仏したはずの死んだ祖父や祖母を見たという話も聞くが、そういうオバケはちっとも怖くない。

 目で見えるものなら写真にも写るはずであるが、実写された幽霊の写真はない。あるとしたら、それは合成したりしたニセモノだ。
 8月放映の富士テレビの〝ほん怖(こわ)〟(ほんとにあった怖い話)のなかに、幽霊がビデオに映っていたというシーンがあったが、もしそんなことが本当にあったら、世界的スクープである。

 ネッシー(イギリスのネス湖の恐竜)もUFOも、インチキな奴がつくりあげた嘘だった。UFOの最初のものは「アダムスキー型」といわれるものだが、写真まで用意して、よくあそこまで考えるものだと感心する。
 本当にあった怖い話も、そのたぐいだ。

 昔は、キツネやタヌキに化かされたという話がいっぱいあったが、今ではまったく聞かない。テレビのブラウン管のなかから幽霊が這い出てくる時代だ。幽霊の出没場所も変化してきたのだろう。

 今の時代、本当に怖いのは、幽霊ではなく、110歳とか120歳で生きていたことになっていた人がいっぱいいたことや、そういう人たちが押入れなどで〝カンピンタン〟(ひからびた死体)になっていた話であり、わが子を殺してベランダに放置していたといった話である。
 
 押尾事件のように、MDMA(合成麻薬)を飲んで女が死んでしまうという話の方が、幽霊よりずっと怖い。
 押尾学は、求刑懲役6年に対し、人を殺してたった懲役2年6か月だったが、こういう判決を平然と下す東京地裁の裁判官や裁判員たちの方がもっと怖いのではないか。

 その点、幽霊は少なくとも人を襲ったり、噛みついたり、首を絞めて殺したり、麻薬を飲ませるような卑劣なマネはしない。

 だが、そうそう世の中に、幽霊がらみの怖い話があるわけがない。
 たとえば、「水洗トイレの水を流したら、髪の毛がいっぱい流れてきた」という話も、(古いマンションについている)貯水タンクに誰かが悪さしたといったような原因が必ずある。

 車で山道を走っていたら、フロントガラスに手の跡が張りついたという話も、鳥とか虫のフンがそういう形になったかもしれないし、道にはみ出していた木の樹液とか実が飛び散ったのかもしれない。

 白っぽい人を見たという場合も、白っぽい布きれとか紙が風に飛ばされたのかもしれないし、遠くの船や飛行機や車のライトが反射したりして、何かを照らしたのかもしれない。そういう場合がほとんどである。

(城島明彦)
 

2010/09/14

民主党代表戦で、惨敗小沢を支持した国会議員のオツムの程度

 さきほど、民主党党首に菅直人が721対412の大差で再選された。

 党員・サポーター票は、249対51で菅の勝ち。 
 地方議員票も、60対40で菅の勝ち。
 国会議員票は、412対400の僅少差で菅の勝ち。

 国民支持率は菅が70~80%、小沢は20%台だったから、民主党員としての地位が高くなればなるほど、民意を無視し、手前勝手な考えに走っているということになるのではないか。

 小沢に投票した民主党の国会議員を選んだ人は、この次の選挙では考えないといけない。

(城島明彦)

2010/09/13

日本振興銀行社長と作家を兼ねた江上剛が残した教訓 「二足の草鞋(わらじ)は不可能」

 日本史上初の「ペイオフ」(預金保護)を発動された日本振興銀行の社長が、ビジネス小説作家江上剛(本名小畠晴喜)であったことは、シャレにならない。
 江上には『失格社員』『社長失格』『背徳経営』『隠蔽指令』『大罪』という著書がある。

 江上は、「保護されない預金者を生み出したかもしれないことは、忸怩(じくじ)たる思いだ」と詫びたが、保護されない一千万を超える預金をしている被害者(預金保険機構によると、9月10日現在の全預金者12万6799人中3423人)たちからは「そんな本を書いているヒマがあったら、なぜもっと経営に力を入れてくれなかったのか」といわれても反論できないだろう。

 日本振興銀行の社外取締役だった江上は、金融庁の検査を妨害した「銀行法違反」による木村剛前会長、西野社長らの経営陣の逮捕で、7月14日に、急遽、社長に就任したという事情はあるが、固辞することはできた。

 江上は、第一勧銀時代、支店長どまりだったから、役員になってみたかったのかもしれないが、現実はそう甘くはなかったのだ。
 「小泉純一郎-竹中平蔵-木村剛」というラインのインチキぶりは、改めて書くまでもないが、江上剛は、その木村に誘われて日本振興銀行の社外取締役を2004年から務め、取締役会議長まで務めてきたが、どこをどうチェックしていたのやら。

 社外取締役の役割というのは、社長や会長の暴走に歯止めをかけたり、コーポレートガバナンス、コンプライアンスなどを厳しくウォッチして、経営陣にアドバイスすることではないのか。
 にもかかわらず、木村剛は、金融庁の立ち入り検査を前に悪事を働くのだから、江上剛の小説よりはるかに面白い。

 報道によれば、日本振興銀行は、昨年5月26日に金融庁から立ち入り検査の通告を受け、「メールを保存するよう」に指示されていた。
 違法な迂回(うかい)投資や大手商工ローンとの違法取引などによる乱脈経営が白日のもとにさらされることを恐れた木村剛は、連日のように会議を開いて対策を協議し、証拠隠滅を図ったというが、社外取締役としての江上は、それ以前の乱脈経営も含めて、どこをどうチェックしていたというのか。
 「二足の草鞋」などと格好をつけて、のんびり小説を書いている場合ではなかったのではないか。

 作家の高杉良は、第一勧銀 (現みずほフィナンシャルグループ)の「総会屋への利益供与事件」(1997年)をテーマにして、経営刷新に取り組んだ4人組をモデルにした小説『金融腐蝕列島・呪縛』を書き、映画化もされたが、当時広報部次長だった江上はその4人組の一人であった。
 それがきっかけとなって江上は、2002年に作家デビューすることになる。
 そういう関係があった髙杉は、今回、江上の社長就任の報に接したとき、「救い難い」とコメントしたそうである。髙杉は、社外取締役にも就くなと過去に何度もアドバイスしていたという。
 江上は、髙杉が案じたように、社長就任からわずか2か月で日本振興銀行は破綻に追い込まれた。

 木村と江上には共通点がいくつかある。
 どちらも銀行出身で、名前が同じ「剛」。〝赤信号GO-Goライン〟というわけだ。
 木村も日銀時代から「織坂濠」というペンネームで本を出し、退社後は山のように本を書いてきたが、これがまた、江上同様、シャレにならない。
 『粉飾答弁』『小説ペイオフ――通貨が堕落するとき』
 世の中を甘く見ているとしかいいようがない。
 田原総一朗との共著『退場勧告――居直り続ける経営者たちへ』、スポーツ評論家二宮清純との共著『野球と銀行――なぜ日本は失敗したか』というのもある。

 〝阪神電鉄買い占め事件〟や〝インサイダー取引〟(ライブドアがニッポン放送を買い占めるという情報をホリエモンこと堀江貴文から入手して193万株を買った)容疑で逮捕された〝村上ファンド〟の村上世彰(よしあき)も、日本振興銀行が発足したときには、主要株主の一人として名前を連ねていた。
 ベンチャー企業の成功者としてマスコミが好んで取り上げたGMOインターナショナルの社長熊谷正寿も、日本振興銀行の株主であった。

 日本経済を引っかきまわした竹中―木村―村上という〝悪の連携図〟の共通項は、「弁が立つ=詭弁家(きべんか)」で「相手を言いくるめたら勝ち」という考え方をしていることだろう。
 彼らを取り上げてゼニ儲けをしたテレビや出版社などのマスコミの罪も大きい。マスコミは、〝マッチポンプ〟だ。自分で火をつけ、自分で消す。竹中や木村や村上を、ホリエモンにしてもそうだが、ヒーロー扱いして、もてはやしておきながら、彼らの正体が明らかになると、今度は手のひらを返したように、バッシングの嵐である。

 世の中には「二足の草鞋」をカッコいいともてはやす風潮があるが、よほどのスーパーマンか天才でない限り、どんな仕事でもトコトンやろうとすると、それだけで精一杯であり、ほかのことに手をそめている余力などない。

(城島明彦) 
 

2010/09/11

小沢一郎首班指名なら、いきなり「内閣支持率30%=即退陣」もありうることを、支持した民主党議員は考えたことがあるのか?

 共同通信が9月9・10日の両日に行なった全国電話世論調査によると、内閣支持率は54・7%、首相になってほしい人は菅直人67・3%で、小沢一郎は22・8%と出た。
 小沢は「政治とカネ」の問題は十分説明したし、検察が不起訴としたことで潔白と主張しているが、国民の84・6%は「納得できない」といっている。

 こういう事実を知って尚(なお)、小沢に投票する民主党議員の名前は、マスコミが全国民に大々的に知らしめた方がよい。そのためにも、投票は無記名ではなく、記名にすべきだ。

 選挙のときに小沢に世話になったからといったような理由だけで、やみくもに小沢を支持する民主党議員は、誰のために政治をしようとしているのか、よく考えた方がよい。

 小沢ガールズは、小泉チルドレンの二の舞になることは目に見えている。土井たか子が社会党委員長だったときに、同党公認の女性議員がどっと当選し、「山は動いた」といったが、その議員らは記憶に残ることを何一つせず、いつのまにか消えていった。国民はどうして何度もだまされるのだろう。

 力わざで国民の意思に反した小沢内閣発足となっても、「政治とカネ」問題が吹っ飛ぶわけはなく、内閣支持率が60%とか70%になるわけがない。

 小沢内閣支持率は最初から30%前後で歴代内閣中最低の数字を記録しかねない可能性大である。

 そうなったら、民主党は、また発足から3か月程度で首相の首をすげ替えるのか?
 そうなったら、小沢に投票した民主党議員は責任を取らなければならない。もっとも、次の選挙では誰も投票しないだろうことは明白だ。

 民主党は、国民のことを忘れて、早くも権力の座にあぐらをかき始めたと思う人が増え、
 「民社党は期待はずれだった。権力争いに汲々(きゅうきゅう)としてばかりいる。自民党も懲りたろうから、以前の過ちはもう繰り返さないだろう。もう一回、自民党にやらせるか」
  という声が大きくなってくるだろう。

 小沢のいっていることも、菅直人のいっていることも、具体性を欠く。菅のいう「雇用を増やす」というのは、どうやって増やすのか伝わってこない。昔のように、土木工事でもやって日雇い労働者を増やすのか?

 何年先に、どういう手を打って、どの分野の雇用をどれだけ増やすのか。具体的な数字で示せ。

 日本人が目指す3年後のビジョンは何か。 5年後は? 誰もが希望をいだき、その目標を信じて頑張れる具体的ビジョンを示せ。
 同じ大口を叩くなら、池田隼人の「所得倍増計画」のような、夢がある実現性のある大口を叩け。

 テレビに出て、調子のいいことばかりしゃべりまくる〝口だけ達者な議員〟が増え続けている。
 いうことは立派だが、きわめて抽象的。具体的なことをいう者もいるが、実行力が伴っていない。どいつもこいつもダメだから、日本はどんどん凋落していく。

 亡国の口先議員たちよ、悔い改めよ。さもなくば、政界から去れ!

(城島明彦)

2010/09/03

NHK大河ドラマ『龍馬伝』はドラマではない。安っぽい劇画かCMだ。

 連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の8月26日の視聴率は21%だったが、国民的人気ナンバーワンの英雄を主人公にした前日夜の大河ドラマ「龍馬伝」の視聴率は15.4%だったという。

 さもありなん。1秒~数秒でポンポンとあわただしく画面が変わり続けるので、目が疲れるだけでなく、イライラして、落ち着いて見ていられない。
 ここまで、めまぐるしくカットがわりするドラマは史上初ではないか!?
 年寄りの視聴者の存在を無視しているとしか思えない。

 しかも、前衛演出を気取ってでもいるのか、奇妙な角度のアップやドアップを多用しまくり、まるで劇画のようで、いかにも安っぽい印象を与える。

 黒澤明、市川昆、小津安二郎ら、巨匠といわれる映画監督は、「1(ワン)シーン1(ワン)カット」といわれる「長回し」をしばしば用いた。
 そうした演出姿勢と真逆のことをしているのが「龍馬伝」である。
 ストーリーが面白ければ、あるいは芝居の中身が濃ければ、ポンポンと画面を変えなくても、観客は話に引き込まれるものだ。

 ほかにも、おかしな点がいっぱいある。 
 龍馬、西郷らが、突っ立ったまま、やたら「ためぐち」で会話する異様さ。
 まるで民放のワイドショーのように、不必要な場面で大音響で鳴り響く奇妙な音楽。
 岩崎弥太郎の異様な風体(ふうてい)、高橋克実の西郷隆盛は貫禄不足のミスキャスト、武田鉄也の勝海舟も違和感がある……。

 そんなドラマだ。視聴者ばなれが起きて当然だろう。

(城島明彦)

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