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2010/08/20

星野仙一の耳目を疑う野球センスのなさ

 日テレは、夜のニューススポーツ報道番組「NEWS ZERO」のコメンテーターの1人として、星野仙一を定期的に起用し、スポーツだけでなく、政治問題やら経済的出来事、社会的事件に至るまでをコメントさせている。

 だが、読売新聞系の日テレが、なぜ星野なのか、理解に苦しんでいる視聴者は決して少なくないはずだ。

 同番組のメインキャスター村尾信尚については、わかりやすい解説をするので、好感が持てると思った時期もあったが、発言内容をよく吟味してみると、ごく当たり前のことしかいっていないことがわかる。
 
 一件、温和なイメージの村尾だが、先の参議院議員選挙直後に、小沢一郎に替わって新しく民主党幹事長に就任した枝野幸男をゲストに呼んだとき、「政治とカネ」の質問をする場面でぶちきれる様子を見て以来、日テレを見るのはやめ、TBSの「NEWS23X」に変えた。

 TBSのキャスターは膳場貴子で、NHK出身のせいか、何事にも卒がないが、押さえるところはビシッと押さえ、テレ朝「報道ステーション」の古舘伊知郎のような嫌味というか、毒がないのが好感をもてるような気もするが、底が浅い印象も受ける。もう1人のキャスター松原耕二は、ちょっと人相が悪く、底意地が悪そうな印象を与える。テレビ映りがよくなるように、表情を研究せよ。

 古舘伊知郎は、起用された当初はガチガチで、「勉強してきました。暗記してきました」という感じだったが、いつのまにか大御所のような感じになってきて、高いところからものをいっている印象を受けるのと、テレ朝特有の左傾的なものいいが多くなってきた点が鼻につく。
 古舘はがんばっているとは思うが、彼がかつて編み出した「プロレス中継やF1中継での独創的なアナウンス能力」を、大胆なニュース報道という感覚で発揮できないものか。

 話を最初のテーマに戻す。
 日テレの「NEWS ZERO」での星野のコメントについて文句をいいたい。断っておくけれど、私は三重県の出身で、子どものころからの熱狂的なドラゴンズファンであり、星野が監督時代に「中日スポーツ」紙面でエールを贈る原稿を何度も執筆させてもらったことがある。

 ドラゴンズファンから見れば、星野仙一は許しがたい人間である。入団当初から「将来の幹部候補生」として、〝ミスター・ドラゴンズ〟という特別な存在として、球団から「花よ蝶よ」と大切に育てられ、遇してもらっておきながら、四位で終った監督責任を問われて解雇されると、その足で、同じセリーグのライバル球団阪神タイガースの監督におさまった。

 かつて、NTTドコモの社長を罷免された男が、その足でライバル企業のKDDIも社長に転職したことがあったが、世間はそれをどう見たか。これは誰の目にも、「意趣返(いしゅがえ)し」(しかえし)と取られた。
 阪神タイガースへの星野の転びも、それと同じである。

 別のたとえでいうなら、戦時に最高司令長官が敵に寝返ったようなもので、作戦から兵力からすべて敵に筒抜けになってしまう。
 こういうことは道義的に許されないことであり、同じリーグの別の球団監督に就任するには、少なくとも1年以上は間を置くというのが、良識であり、〝人の道〟というものである。

 しかも星野は、前述したように、中日ドラゴンズの幹部候補生として破格の扱いを受け、金銭面での無理な要求にも球団は目をつむり続けてきた。そういう〝恩義〟にも、星野は背を向けた。

 かわいがってもらった中日を裏切った男だ、いつなんどき、阪神タイガースを裏切ろうと、不思議ではない。いや、すでに読売巨人にシッポを振っている。
 〝カネと名誉のためなら、権力に擦り寄る節操(せっそう)のない男〟。そう思われてもしかたがなかろう。

 西武ライオンズのコーチだったデーブ大久保は、選手に暴力を働いたとして、球団を解雇されたが、星野など、ベンチ裏で何十人のドラゴンズ選手に鉄拳制裁を加えてきたことか。

 そういう人物が、ニュース番組で、「親が子をせっかん死させた事件」などに関して偉そうにご高説を垂れること自体、笑止であり、ありえない話なのだ。

 正確な日付は忘れたが、8月の初めのことだった。プロ野球ニュースを見ようとチャンネルをあちこち選んでいたら、日テレがやるところだったので、リモコンの手を止めた。
 テレビ画面には、けったくそ悪い星野仙一が映っていたが、「どういうことをいうのか、きいてやろう」という野次馬的な気持ちで、番組を見た。

 当時の順位は、1位巨人、2位阪神、3位中日で、中日は首位からはかなり水をあけられており、これから、巨人・阪神3連戦、中日・阪神戦と3強が直接激突する日程が始まろうとしていた。
 そこで、村尾が「優勝争いはどうか」と聞くと、星野は「巨人と阪神でしょう」と答えた。
 村尾が「中日は」と尋ねると、「中日はダメでしょう」と一刀両断に切り捨てた。そのそっけない言い方に、村尾もちょっと驚いた様子だった。

 「星野仙一は、中日ドラゴンズOB会を除名された男だ。怨念でもあるのか」
 と思えるような星野の言い方だった。

 それから2週間が過ぎた8月19日、阪神に首位を奪われていた巨人は中日に3タテを食らい、3位に転落した。その時点で、阪神と中日のゲーム差は2・5、中日と巨人差は0・5である。

 20日から巨人・阪神の直接対決があるので、順位はこれからどう入れ替わるのかわからず、中日は最終的に優勝争いから脱落する可能性もなくはないが、投手力では〝ピカイチ〟であり、三つ巴(どもえ)の面白い展開になってきたと、野球ファンなら誰でも思うだろう。

 改めて星野仙一に問いたい。なぜ、何を根拠に中日ドラゴンズは優勝候補のひとつではないと断言できるのか。
 
(城島明彦)


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