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2010/08/27

マンネリ・やらせばかりが目についたフジテレビ系の「ほん怖(こわ)」こと「ほんとにあった怖い話 夏の特別編2010~AKB48 まるごと浄霊スペシャル~」

 怪奇小説を書いている職業柄、この手の話に興味があり、8月24日のゴールデンタイム枠で放映された「ほんとにあった怖い話」(フジテレビ)を期待して見たが、羊頭狗肉で落胆した。

 近年、「本当にあった怖い話」が中高生をはじめとする若者たちに人気があるが、この番組は「本当にあった?怖い話」とでもすべき内容であって、タイトルと一致していなかった。

 実体験に基づくドラマという怖い話5編と、人気のAKB48メンバー2人を、霊能者の下(しも)ヨシ子が「浄霊」する様子を収録したもので構成される番組で、同局恒例の納涼番組であるが、ドラマは嘘っぽく、浄霊と称するものは「わざとらしさ」と「やらせ」の感がぬぐえない低レベルの低い内容だった。

 下ヨシ子の「浄霊」は、読経や雰囲気でタレントを催眠状態に陥らせ、催眠のかかり具合が悪いと接近したり、体に触れたりして、かかり具合をよくしておいて、悪霊を体から追い出すという、いいかげんなもの。
 AKB48の女の子に対し、「4月8日に自殺した女の霊がついている」といい、その子が「その日は私の誕生日です」と驚く。その時点で、「やらせ」がバレバレ。番組制作をしたTV局のスタッフとの事前の打ち合わせ段階で、誕生日の情報を知らされていたとしか思えず、笑止である。

 霊の存在を信じる人、幽霊を目撃したり怪奇現象が見えるという人、催眠術にかかりやすい人などは、「霊が取り憑いている」といわれると、その気になるものである。そういう人間を選んで番組を作っている。
 霊能者として、取り憑いている人間の死んだ日まで特定できる透視能力があるのなら、その人間のプライバシーを侵害しない範囲で、どこの誰なのか、どういう家族構成で、実際に実在していたというところまで明確にし、証拠となるものを提示できるはずではないのか。

 5編の怖い話は、ドラマを見ると、「怖く感じるように、それらしく話をつくってある」ことがわかってしまう。実在の人物の実体験に基づくとわざわざ断っているが、もしそうであるなら、ごく短くてもよいから、体験者の写真なりコメントなりインタビューなり住所氏名を明らかにして、真実味を出す工夫が必要だ。

 放映された怖い話は、5つ。
 ○「開かずの間」(坂口憲二主演)……お寺の「開かずの間」の封印を解いた話。
 ○「叫ぶ廃病院」(池端淳平主演)……廃病院に肝だめしにいった男女3人組の帰りの車の中に院内に放置されていた位牌があり、それを川に投げたら、そこから幽霊が出てきたという話。
 ○「赤いイヤリングの怪」(AKB48の大島優子主演)……自殺者が身につけていたイヤリングを拾った女子高生の家に死んだ女が現れる話。
 ○「レインコートの女」(AKB48の高橋みなみ主演)……スタジオか倉庫のようなところで、友人とかくれんぼをしていて「レインコートを着た女」を目撃するが、それが警備用のビデオにも映っていたという話。
 ○「死神が来る夜」(優香主演)……老人ホームで介護の仕事をしている女性が、仕事帰りに車を運転していて睡魔に襲われ、事故を起こすが、ホームでやさしくしてやっていた老女がお礼にくれたお守りのおかげで奇跡的に助かり、その老女はまるで身代わりのように死んでいったという話。

 最も真実味があり、実話かもしれないと思えるのは最後の話だけで、それ以外は明らかに作り話と思えるストーリーになってい る。

 「開かずの間」も、お札がたくさん貼ってある隣室との襖(ふすま)の下から、長い髪の毛が出ているのを、その寺を訪ねた主人公らが最初に見るという設定は、ありえない。お寺の住職が、そんな状態のまま放置しておくとは思えない。客の目に触れないようするのが普通だ。

 「叫ぶ廃病院」は、病院内に壊れた小さい仏壇が落ちていたという設定は面白いが、位牌を拾って持ち帰ってもないのに車のなかにあったという話は、100%ありえない。そう思った時点で、「これは完全な作り話だ」ということになる。「本当にあった」とするから、話をもっと面白くできないのだ。その点、同じフジテレビ製作のタモリの「世にも奇妙な物語」の方がフィクションに徹した分だけ、面白い。

 「赤いイヤリングの怪」は、「何度捨ててもイヤリングが戻ってくる」と登場人物に語らせている設定自体に無理がある。誰かが同じものをいくつも用意していて投げ込んでいくのならわかるが、イヤリングに足でも生えない限り、そういうことはありえない。その時点で、しらける。拾った子の家に泊まる友人が、天窓に顔が血だらけの女が落ちてくるのを目撃するシーンがあるが、視聴者の恐怖をあおるために何度も落ちてくる演出になっているのが、いかにもあざとく嘘っぽい演出と思え、興ざめだった。

 「レインコートの女」は、主人公が目撃したレインコート姿の女の幽霊がビデオにもはっきり映っていて、その姿が途中でふっと掻き消えるという話になっているが、実際にそういう映像を映したビデオがあり、それをテレビ局が何かの番組の中で流したことは、過去に一度もない。過去にテレビで紹介されたのは、何か怪しいものが一瞬チラッと画面に映ったという程度の画像か、奇妙な物音が聞こえたというレベルである。「高橋みなみの実体験をドラマ化した」と謳っているが、「本当にあった話」と銘打つのは無理があるということだ。

 「死神が来る夜」が、こういう話はよく聞くし、本当にあった話と思わせるものがある。しかし、身代わりになって死んでいったと思える老女は、わがままで、別のナース(介護士?)の女性を徹底的に毛嫌いし、彼女が運んできた食事をひっくり返す嫌がらせばかりしているという設定は、優香扮するナースの優しさを強調するためのエピソードかもしれないが、見ていてイヤな印象が残った。なぜなら、嫌われるナースには悪気があるわけでも、口のきき方がぞんざいでもなく、ただ相性が合わないだけではないのかと思わせたからだ。そのあたりの人間描写をきちんとした方がドラマに味が出る。

 小説とか架空のドラマなら嘘八百が許されるが、「本当にあった話」と謳(うた)うというからには、嘘っぽかったり、作り話のように感じられるようではいけない。番組名を変えるべきだろう。
 理屈で説明できないから「怖い」と感じるのかもしれないが、ある程度、「この話は、本当にあったのかもしれない」と視聴者に思わせないとダメだ。そう考えた視聴者が多かったのではないか。

(城島明彦)

2010/08/21

自民党と「同じ穴のムジナ」になってしまった民主党議員たちよ、「民意」とは何だ?

 派閥抗争に明け暮れた自民党が日本をダメにしたが、その教訓を忘れて、「菅直人VS小沢一郎」などと、国民不在の派閥抗争を展開し始めた民主党議員たちよ、貴様らに憂国の気持ちはあるのか!?

 足の引っ張り合いをする姿は、かつての自民党とそっくりだ。
 貴様らは、日本を腐敗させ、堕落させた自民党と同じ轍(てつ)を踏むつもりなのか。
 コップのなかの嵐のような、その低俗レベルに、ほとんどの国民はあきれ返っているぞ。

 「政治とカネ」の問題で〝黒に限りなく近いグレイゾーン〟と圧倒的多数の国民から思われている小沢一郎が総理になったら、自民党政治に逆戻りではないか。

 かといって、菅直人は頼りなさすぎる。
 菅直人は、参院選挙前の消費税発言にこりたのか、マスコミが流す「支持率」ということが常に頭にあるとみえて、妙に慎重で、作り笑いでお茶を濁す場面が増えているし、〝減点主義政治〟を心がけてでもいるのか、毒にも薬にもならないような優等生的な受け答えに終始し、迫力に欠ける。

 日本の現状は、派閥抗争をしているほど余裕がない。
 貴様らに、危機意識はないのか!? 
 民主党は、日本再建を託すに足る政党ではないのかもしれない。
 そういう思いがじわじわと広がってきているぞ。

 やはり野に置け月見草。
 やはり野にいろ民主党!

 (「やはり野に置け月見草」の意味は――「夏、野や山や川べりで、派手な黄色い花をつけた月見草を見かけ、美しいと思って、抜いて持ち帰り、家の庭に植えてみると、どうにも場違いな感じがする。花瓶に活(い)けてみても、どうもしっくりこない。月見草というのは、やっぱり、野っ原で咲いているのが一番似合っているのだ」という意味である)

 「やはり野に置け月見草」ではないが、所詮、民主党という政党は、厚労大臣の長妻昭が象徴しているように、「言うは易(やす)く行うは難(かた)し」で、与党として政権につくような〝玉〟ではなく、野党として吼(ほ)えまくっている方が似つかわしい政党ではないのか。

 そういう失望感・絶望感が、支持率低下として現れていることが、民主党議員たちにはわからないとみえる。

 (城島明彦)

2010/08/20

星野仙一の耳目を疑う野球センスのなさ

 日テレは、夜のニューススポーツ報道番組「NEWS ZERO」のコメンテーターの1人として、星野仙一を定期的に起用し、スポーツだけでなく、政治問題やら経済的出来事、社会的事件に至るまでをコメントさせている。

 だが、読売新聞系の日テレが、なぜ星野なのか、理解に苦しんでいる視聴者は決して少なくないはずだ。

 同番組のメインキャスター村尾信尚については、わかりやすい解説をするので、好感が持てると思った時期もあったが、発言内容をよく吟味してみると、ごく当たり前のことしかいっていないことがわかる。
 
 一件、温和なイメージの村尾だが、先の参議院議員選挙直後に、小沢一郎に替わって新しく民主党幹事長に就任した枝野幸男をゲストに呼んだとき、「政治とカネ」の質問をする場面でぶちきれる様子を見て以来、日テレを見るのはやめ、TBSの「NEWS23X」に変えた。

 TBSのキャスターは膳場貴子で、NHK出身のせいか、何事にも卒がないが、押さえるところはビシッと押さえ、テレ朝「報道ステーション」の古舘伊知郎のような嫌味というか、毒がないのが好感をもてるような気もするが、底が浅い印象も受ける。もう1人のキャスター松原耕二は、ちょっと人相が悪く、底意地が悪そうな印象を与える。テレビ映りがよくなるように、表情を研究せよ。

 古舘伊知郎は、起用された当初はガチガチで、「勉強してきました。暗記してきました」という感じだったが、いつのまにか大御所のような感じになってきて、高いところからものをいっている印象を受けるのと、テレ朝特有の左傾的なものいいが多くなってきた点が鼻につく。
 古舘はがんばっているとは思うが、彼がかつて編み出した「プロレス中継やF1中継での独創的なアナウンス能力」を、大胆なニュース報道という感覚で発揮できないものか。

 話を最初のテーマに戻す。
 日テレの「NEWS ZERO」での星野のコメントについて文句をいいたい。断っておくけれど、私は三重県の出身で、子どものころからの熱狂的なドラゴンズファンであり、星野が監督時代に「中日スポーツ」紙面でエールを贈る原稿を何度も執筆させてもらったことがある。

 ドラゴンズファンから見れば、星野仙一は許しがたい人間である。入団当初から「将来の幹部候補生」として、〝ミスター・ドラゴンズ〟という特別な存在として、球団から「花よ蝶よ」と大切に育てられ、遇してもらっておきながら、四位で終った監督責任を問われて解雇されると、その足で、同じセリーグのライバル球団阪神タイガースの監督におさまった。

 かつて、NTTドコモの社長を罷免された男が、その足でライバル企業のKDDIも社長に転職したことがあったが、世間はそれをどう見たか。これは誰の目にも、「意趣返(いしゅがえ)し」(しかえし)と取られた。
 阪神タイガースへの星野の転びも、それと同じである。

 別のたとえでいうなら、戦時に最高司令長官が敵に寝返ったようなもので、作戦から兵力からすべて敵に筒抜けになってしまう。
 こういうことは道義的に許されないことであり、同じリーグの別の球団監督に就任するには、少なくとも1年以上は間を置くというのが、良識であり、〝人の道〟というものである。

 しかも星野は、前述したように、中日ドラゴンズの幹部候補生として破格の扱いを受け、金銭面での無理な要求にも球団は目をつむり続けてきた。そういう〝恩義〟にも、星野は背を向けた。

 かわいがってもらった中日を裏切った男だ、いつなんどき、阪神タイガースを裏切ろうと、不思議ではない。いや、すでに読売巨人にシッポを振っている。
 〝カネと名誉のためなら、権力に擦り寄る節操(せっそう)のない男〟。そう思われてもしかたがなかろう。

 西武ライオンズのコーチだったデーブ大久保は、選手に暴力を働いたとして、球団を解雇されたが、星野など、ベンチ裏で何十人のドラゴンズ選手に鉄拳制裁を加えてきたことか。

 そういう人物が、ニュース番組で、「親が子をせっかん死させた事件」などに関して偉そうにご高説を垂れること自体、笑止であり、ありえない話なのだ。

 正確な日付は忘れたが、8月の初めのことだった。プロ野球ニュースを見ようとチャンネルをあちこち選んでいたら、日テレがやるところだったので、リモコンの手を止めた。
 テレビ画面には、けったくそ悪い星野仙一が映っていたが、「どういうことをいうのか、きいてやろう」という野次馬的な気持ちで、番組を見た。

 当時の順位は、1位巨人、2位阪神、3位中日で、中日は首位からはかなり水をあけられており、これから、巨人・阪神3連戦、中日・阪神戦と3強が直接激突する日程が始まろうとしていた。
 そこで、村尾が「優勝争いはどうか」と聞くと、星野は「巨人と阪神でしょう」と答えた。
 村尾が「中日は」と尋ねると、「中日はダメでしょう」と一刀両断に切り捨てた。そのそっけない言い方に、村尾もちょっと驚いた様子だった。

 「星野仙一は、中日ドラゴンズOB会を除名された男だ。怨念でもあるのか」
 と思えるような星野の言い方だった。

 それから2週間が過ぎた8月19日、阪神に首位を奪われていた巨人は中日に3タテを食らい、3位に転落した。その時点で、阪神と中日のゲーム差は2・5、中日と巨人差は0・5である。

 20日から巨人・阪神の直接対決があるので、順位はこれからどう入れ替わるのかわからず、中日は最終的に優勝争いから脱落する可能性もなくはないが、投手力では〝ピカイチ〟であり、三つ巴(どもえ)の面白い展開になってきたと、野球ファンなら誰でも思うだろう。

 改めて星野仙一に問いたい。なぜ、何を根拠に中日ドラゴンズは優勝候補のひとつではないと断言できるのか。
 
(城島明彦)


2010/08/17

ケータイ恋愛短編小説のススメ 『初恋――ラベンダーピンクに揺れて』

 かなり前に原稿を渡していたので気づかなかったが、恋愛ものの短編ケータイ小説『初恋――ラベンダーピンクに揺れて』が6月に「いるかネットブックス」から発売されていた。
 
 城島明彦は、昨今は怪奇物しか関心がないのかと思われているようだが、そうではない。
これは、私が長い沈黙を破って書き下した「コバルト文庫」以来の女子高生を主役にしたラブストーリー。

 思春期の特徴として、女子高では、昔も今も、同性のカッコいい先輩に憧れをいだく生徒がかなりいる。それがテーマである。

Photo_3

 父の転勤で高一の二学期から聖ジョバンニ女学院に転入した北原由紀は、音楽室から聞こえてくるアイルランド民謡「春の日の花と輝く」を歌う美しいソプラノに魅了される。
 学校始まって以来の美少女と噂され、全女生徒の憬れの的となっている一年上の淡路美海だった。
 由紀は、クラス対抗の「読書コンクール」を通じて、美海から声をかけられることに……。(解説より)

 税込価格157円(安い!)なので、興味のある方は、どうぞ。

(城島明彦)

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