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2010/04/19

「河は呼んでいる」(歌)のお話

 映画「河は呼んでる」(「呼んでいる」ではない。原題「L’eau Vive」(ロ・ヴィーヴ)が封切られた当時(1957年)大ヒットした歌詞とはまったく違った新しい歌詞をつけ、曲も大幅にアレンジした「河は呼んでいる」のCDを聞いた。

 このCDは、キングレコードから1991年4月5日に発売されており、アマゾンの通販で今でも入手可能。
 「NHKみんなのうた」より「大全集・2」(南の国のハメハメハ大王)
 というのが正式なタイトルである。
 訳詞は大野汀子、坪能克裕編曲、歌手は春口雅子。

 ♪ そよふく風に    ♪ 野ばらのかげに
    ことりの群は       ことりはいこい
    河の流れに       森の泉も
    ささやきかける      静かにねむる
    ごらんよ あの空    ごらんよ あの河
    しあわせの日が     ささやく声が
    あなたの上にも     わたしのむねにも
    ほほえんでいる     よびかけている

 歌詞もアレンジ(編曲)も、映画のなかで歌われるギイ・アベアールのフォーク調のシャンソンや中原美紗緒が歌った日本語訳の歌とは、まったく印象が違い、原曲とは似て非なるもの、改悪された「同名異曲」というしかない。

 1番の歌詞「あなたの上にも」および2番の「わたしのむねにも」は、曲に対し字あまりで、いただけない。

 「ごらんよ あの空」というフレーズを除いて、すべて7文字で日本語訳しているのだから、ここだけ8文字にするというのは手抜きだ。ここは、「あなたの上に」「わたしのむねに」とすべきであった。

 しかも、全集に収録されたこの歌の長さは1: 57(CDジャケット表示。CDプレーヤーでの表示は2:00)。中原美紗緒が歌った当初の曲は3:41(CDプレーヤー表示)なので、半分以下に端折(はしょ)られている。

 この「大全集2」の収録曲は、2分前半の曲がほとんどで、一番長いものは3分を超えているので、ほかの曲と比べても短い感じがする。
 小さな子供向きの歌として流されたのだから、かたいことはいいっこなしというところもあるが、それにしても、ちょっと大胆すぎた。

 (※歌「河は呼んでいる」、映画「河は呼んでる」についての詳細については、本ブログの別のところ―ー『あれから50年。〝NHK紅白歌合戦7年連続出場歌手〟中原美紗緒「河は呼んでる」の歌詞が消えた謎を追う』 [その1]09/07/09および〔その2〕09/07/10に書いているので、関心のある向きは、そちらをどうぞ)

(城島明彦)

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