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2009/05/29

もうひとつのWBCー―ボクシング「内藤大助と中国人ボクサーの試合」の後味の悪さ

 WBCというと、プロ野球の世界選手権を思い浮かべる人が多くなったが、どっこい、名称としてはボクシングのWBC(世界ボクシング評議会)のほうが大先輩である。

 内藤大助は、そのWBCで、5月28日に判定勝ちはしたものの、中途半端な印象を受けた観客が多かったはずだ。

 相手の中国人ボクサーの背が極端に低すぎたのが原因で、手こずりまくり、パンチにいつものさえがなかったが、相手以前に、減量に失敗していたのではないか。

 内藤自身がそれを一番感じていたのだろう、試合後のインタビューでは、「すみませんでした」を連発した。

 彼の人柄のよさにつられて、「まあ、勝ったからいいじゃないか」と私は思いはしたが、いまひとつすっきりしなかった。

 バッティングで切った両まぶたは30針も縫ったそうで、そのケガもいい印象にはならなかった。

 内藤が苦戦する試合を観ながら、野球のWBC 人気が盛り上がっている3月8日にタイで戦った辰吉丈一郎の試合(TBSが中継)を思い出した。

 辰吉はとうの昔に引退していると思っていたので、彼が試合をすること自体に驚いたが、年齢を知ってもっと驚いた。38歳であった。
 相手のボクサーは19歳。ちょうど半分の年齢である。

 プロ野球選手では、中日の山本昌のように40歳を超えても現役投手をやっている者もいるが、ボクサーでは40前後は無理。

 辰吉の試合では、セコンド陣が見るからに「ヤーさん風」というか「チンピラ風情」で、なんとも不快な感じがした。

 結果はボロ負け以前。試合になっていなかった。一言でいうと、ぶざま。
 
 まだ戦えると思っているのが悲しい。過去の栄光と伝説を汚すことはしない方がいい。

 そういうことは周囲のものがいってやらないとダメだ。

 そのときの試合後のインタビューでの辰吉の受け答えは、薬物中毒患者のように〝レロレロ〟だった。

 辰吉のレロレロ話から私は、あるボクサーを連想した。

 日本最強のボクサーといわれているピストン堀口である。
 
 彼をモデルにした映画(菅原謙二主演、妻役が若尾文子)を子供の頃に観たことがあるが、その中で今でも覚えているのは、くねくねと蛇行して歩いた後で、「自分ではまっすぐに歩いているつもりなんです」といったシーンである。

 ピストン堀口は、線路を歩いていて列車にはねられて死んでいる。

 辰吉の脳は、TBSが放送した彼の話し方や内容から判断すると、完璧にダメージを受けている。

 そういう状態の男に試合をけしかせ、テレビ放映するという感覚もよくわからない。

 辰吉はきちんとした精密検査を受け、リタイアしたほうがよい。

 TBSのゼニ儲け主義に踊らされていると、まちがいなく「廃人」になる。〝廃人20面相〟は、しゃれにならない。

(城島明彦)

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