NHKはなぜ、くりかえし、〝草彅剛スッポンポン事件〟を長時間、報道したのか。その「7つの理由」とは!?
「草彅剛が、深夜にもかかわらず、公園でスッポンポンになり、人に見せたいほど立派なシロモノであったかどうかはしらないが、チンポコを露出して大騒ぎしていたため、付近の住民から110番され、駆けつけた警察官に公然わいせつ容疑で現行犯逮捕された」
という事件を、NHKは当夜9時の報道番組で、延々と流すだけでなく、翌日(釈放された日)の夜も同様のことをした。
一芸能人の事件としては異例の扱いではないか。民放ならいざ知らず、公共放送のNHKが、なぜ、そこまでやる必要があったのか?
その理由は、次のようになるのではなかろうか。
(1)草彅は、NHK・民放各社を代表する「宣伝塔」であり「広報マン」である「地デジ大使」を務めている。つまり、NHKの顔としての重要な役割をになっていた。
「そういう破廉恥(ハレンチ)な行為をするような男を起用したことの責任をNHKはどう考えているのか」と指弾する世間の声に、NHKは「弁明」する必要があった。
(2)草彅剛は、「国民的番組」とNHKが自負している大河ドラマに出演したことがあり、「天下のNHKの顔に泥を塗られたという激しい憤(いきどお)り」の感情がある。
その怒り、腹立たしさを、ブラウン管を通じてぶちまけたいという思いがあった。
〝地デジの総元締めの親分〟鳩山邦夫総務大臣が、頭にきて思わず「最低の人間」とこきおろし、翌日、「いいすぎた」と訂正する一幕があったが、メンツをつぶされて怒り心頭に発し、草彅に罵詈雑言(ばりぞうごん)を浴びせたくなる気持ちは〝地デジ推進リーダー〟のNHKにもあったはずである。
(3)NHKが一番おそれているのは、問題を起こした草彅を起用していることを理由に「受信料の支払いを拒否されること」である。
NHKは受信料で食っているが、受信料を拒否するものは後を絶たない状況下で、余計な口実を与えてしまっては、たまったものではない。
そういう事情も当然意識して、番組でコメントしたはずである。
(4)三田佳子の息子、中村雅俊の息子など、「見つからなければいいだろう」と軽く考えて大麻や覚せい剤に出す傾向がある芸能人、特にNHKのドラマや番組に出ているタレントや俳優に対する「一罰百戒」の意味をこめた。
「おまえら、NHKの顔に泥を塗るような行為をしたら、こういうことになるぞ」と警告を発したかった。
(5)草彅剛を含めたジャニーズ事務所のタレントや俳優たちは、NHKの番組に多大な貢献をしており、同事務所にそっぽを向かれるとNHKの芸能番組が成り立たなくなる。そういう事情を背景にして、同事務所の態度はNHKに対しても、でかい。
長時間の放送で、「彼を叩こうと思えば、いくらでも叩けるのだよ」とにおわせたことで、横暴な同事務所も、当分はNHKに頭が上がらなくなったというわけだ。
そんなジャニーズ事務所に恩を売り、屈服させる絶好の機会であった。
(6)草彅が家宅捜査まで受けたのは、泥酔状態が普通ではなく、薬物の摂取が疑われたからだが、自宅からそういうものは見つからなかったとのことで、すぐに釈放された。
その結果を踏まえて、NHKは「大麻をやったわけではない。スッポンポンになったことは悪いことは悪いが、酒の上のあやまちは誰にでもある。反省し出直せば、また使うよ」と聞えるようなコメントを発し、鷹揚なところを見せた。
「酔っ払ってのご乱行」
ということでは、先ごろNHKを退職した松平定知アナウンサーが泥酔してタクシーの運転手とトラブルを起こした事件が過去にあるから、あまり強いことはいえないのである。
(7)視聴者に対しては、「草薙剛は人気があるタレント。彼だけでなく、SMAPは子供たちにも絶大な人気があり、彼らの言動やイメージが子供に及ぼす影響も大きい」とNHKは考えた。
そういう自覚を、芸能人、特に若い連中に強く持たせるためには、この際、草彅をスケープゴートにして説教しておく方がよいと考えた。
こんなようなことではなかろうか。
(城島明彦)
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