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2009/04/02

手のうちバレバレ。新卒採用48%減に見る〝ソニー・マジック〟

 ソニーは、昔から、「宣伝上手な企業」「PRのうまい会社」といわれてきた。

 「世界のソニー」などというのも、その昔、自らが発信したキャッチフレーズである。

 しかし、昨今のソニーは、マイナス材料ばかりが目立つ企業と成り果てた。

 それでも、国際的なリーディングカンパニーという評価があるせいか、大きな出来事が起きると、何冊かソニーの著書がある私のところにも、海外の新聞とか日本の雑誌などからコメントを求めてくる。

 ソニーは先日、ストリンガーCEOが中鉢COOを首にし、自らは居座って、1万数千人規模の人員削減をすると発表したが、そのときも英経済紙から取材を申し込まれた。

 どうして私でなければならないのか、という疑問が頭をかすめた。「ソニー病」の命名者だからなのかもしれないが、ソニー本に関しては、「どうして、こんなにたくさん……」と驚くほど次々とソニー本を著してきた物書きがいる。

 そちらの方に聞いたほうが詳しいのではと思うのだが、一人でそんなにたくさん書くこと自体、ある種の癒着であり、異常。そう思わせないために、ポーズとして批判めいたことも書いているが、所詮、ソニーに飼われた〝御用作家〟。そう判断し、私に聞いてきたようだった。

 私は体調がよくなかったこともあって、英経済紙の電話取材には応じたが、直接のインタビューは断った。
 「名前を出していいか」と聞かれたから、「構わない」と返事した。しかし、載ったのか載らなかったのかわからないし、どう書かれたのかもわからない。こういうことがあるから、あまり取材は引き受けたくないのである。

 しかし、かなり前になるが、「ロサンゼルスタイムス」の取材を受けたときは、後日、掲載紙のコピーを送ってきた。本来なら掲載紙そのものを送ってくるのが礼儀だが、「記者は忙しいのだろう。この記事だけを書いているわけじゃないし」と思って、それで満足した。

 同じ外国マスコミでも、韓国のテレビ局は律儀だった。ビデオに収録した番組をきちんと送ってくれた。
 
 日本のマスコミは、礼儀正しいところが多い。最近、ソニーに関連して創業者の盛田家について雑誌「SAPIO」から取材を受け、「談」という形で記事にしてもらったが、発売前に掲載誌を送ってもらっている。これが普通だが、送ってこないところもある。

 週刊誌の場合は、何時間もの取材に応じても、まったくコメントが載らないことも多いし、ひどい場合になると、私のコメントが別の人がいったようになっていたりする。

 そういうことが重なると、取材を受けたくなくなる。

 ラジオなどは、自分で聞くということもまずないから、ボツにされていてもわからないが、私自身も取材する立場の人間なので、協力する好意的に接することにしている。

 話がどんどん横道にそれてしまった。テーマは、ソニーが「宣伝上手」といわれているという一件である。
 
 「ソニーが新規採用を48%減らし、280人とする」というニュースは、テレビ各局が取り上げていた。それだけ影響量がある企業ということである。

 そのニュースに接して、私は最初、「ふうん」とだけ思ったが、しばらくして、「また、やってるな」と思った。
 「48」という数字が、〝ソニー・マジック〟なのである。

 「50%削減」と発表すると、マスコミは、「採用人数、半減!」と書き立て、ダメージが大きいから、48%にしたのだ。49%だときわどいイメージがあるから、48%という数字を選んだのである。

 商品の値決めと同じ感覚だ。つまり、1000円と980円は、わずか20円しか違わないが、すいぶん違っているような錯覚を起こさせる、あれである。

 ソニーのブランドイメージは、プラス材料はさらに大きく見えるように工夫し、マイナス材料はより実態より小さく見せようとする、巧みなプレゼンテーションの積み重ねで構築されてきたのである。

 そういう小手先のごまかしが通じている時代はよかったが、今では見抜かれてしまっているのだから、よせばいいものを、飽きもせず、やるところに工夫がない。
 そういうことに気づかない限り、「ソニー病」から立ち直ることはできないだろう。

(城島明彦)

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