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2009/03/30

白鵬の優勝インタビューで「(モンゴル語での)父ちゃん、母ちゃん、ありがとう」はNGだ!

 大相撲春場所は、白鵬が10回目の優勝を全勝で飾った。
 24歳0か月での10回目の優勝は、史上三番目の若さということであった。

 朝青龍と違って、土俵態度が立派で、「横綱はかくあるべし」という見本のような横綱になってきた。

 「朝青龍は見習わないといけない」
 といいたいところだが、古傷の左ひじの痛みが激化したせいか、「これまでは、負ければ、わめき散らしたり、傍にあるものを蹴とばしたり、とても危なくて近寄れなかったものだが、今場所は反省の弁を口にするなど、まるで別人」(夕刊フジ)。

 白鵬は、朝青龍ほど日本語がうまくないので、優勝インタビューでも、何をいっているのかよく聞き取れないところがある。
 これが幸いして朝青龍のような〝舌禍(ぜっか)〟が生じない、というのは、考えすぎか。

 しかし、白鵬には問題はあった。
 優勝インタビューが終わろうとしたとき、彼は、自分から「もう少し発言してもいいか」とアナウンサーに求め、モンゴル語で、モンゴルにいる両親に10回優勝できたことを報告し、礼を述べたのだ。

 本来なら、「モンゴルの両親に伝えたいことはあるか」とアナウンサーが質問すべきところだが、そういう問いを発しなかったアナウンサーが未熟であったにしろ、公共の電波を使って、求められもしないのに、自分からモンゴル語で両親にメッセージを伝えるというのは、いかがなものか。

 これが先例となって、(まさかありえないとは思うが)「母ちゃん、俺、やったよ」「○○ちゃん、見てる? 今度デートしよう」などといっても文句をいえなくなる。

(城島明彦)

2009/03/29

WBCが日本列島を興奮と感動で包み込んだ17の理由!

 (1)この時期、ほかにテレビ中継できる面白いスポーツがなかった。

 (2)どこのテレビ局も、同じタレントばかりを使った「金(制作費)をかけずに、簡単に作れる安易なクイズ番組」などを頻繁に流し、ドラマにしても「中身の薄い話」のものが多くて、視聴者は食傷気味になっていたことから、WBCの野球がとても新鮮に映った。。

 (3)中継するテレビ局(特にテレビ朝、TBS)が、高い放映権の元を少しでも取り返そうと、朝、昼、晩を問わず、ワイドショーなどでも、WBC関係のニュース、話題、関連情報などを、かなりの時間を割いて流した。

 (4)北京五輪でぶざまな負け方をした日本の野球選手が、どう変貌を遂げたか、という関心があった。

 (5)「金メダル以外入らない」と豪語しまくりながら、銅メダルも取れなかった〝口先き男〟星野仙一に対し、大きなことをいわなかった原辰徳が国際試合でどういう戦い方をするのかに興味をそそられた。

 (6)大リーグのように、声援だけでトランペットや太鼓などの鳴り物がゼロという応援ぶりではなかったが、日本のペンントレースのときほど、うるさくなかった。

 (7)大リーガーとなって活躍しているイチロー、松坂らの国際スタープレイヤーが〝里帰りしたこと〟(日本チームに加わったという意味)で、普段は野球に無関心の人々や、彼らの名前だけは知っている野球ファンでもない人々が、ミーハー的関心を抱き、テレビ中継を観た。

 (8)出場国の選手たちの、目の色を変えて真剣勝負をする姿に、「国別対決」「国際対決」の面白さを見、魅せられた。

 (9)死にもの狂いで向かってくる韓国選手の「打倒! 日本」への異常とも思える気迫や勝利へのあくなき執念、スタンドで応援する韓国人の熱気が、日本人の感情を刺激し、揺さぶった。

 (10)「侍ジャパン」というネーミングが実によく、圧倒的多数の日本人が好感をもってこの命名を受け入れた。チームに監督以外の名を冠したのは、「なでしこジャパン」が先行するが、「なでしこ」を知っている外国人は皆無に近いのに対し、「侍」「SAMURAI」は国際語に近いものがある。

 (11)一球団や系列のスポーツ紙が「原巨人」とか「落合ドラゴンズ」などと表現するのは何の問題もないが、「国を代表するセ・パ選抜の混成チームに、監督の名前を冠するのはおかしい」「戦うのは選手たちであって監督ではない」という批判の声に、原辰徳は素直に耳を傾け、「侍ジャパン」としたことが好感を呼んだ。
 
 (12)テレビ中継の解説が、わかりやすく、素人にも理解できた。(私見だが)特にTBSの槙原の解説は簡潔明瞭でよかった。

 (13)絶不調のイチローのバットは、湿ったままで終わるのか、それとも、どこかで火を吹くのかという興味と期待がないまぜになった気持ちが、テレビにかじりつかせた。

 (14)「日本の野球レベルは、大リーグと肩を並べたかもしれない」、いや、「もしかすると、抜いたかもしれない」と思わせるような侍ジャパンの攻撃力、投手力、守備力に魅了された。

 (15)最小失点しか許さない日本の投手、キャッチャー城島の日本的で緻密(ちみつ)な好リードは、テレビや車で世界を制した日本人の優れた技術力に通じるものがあり、不況下であえぐサラリーマン層に勇気と自信を与えた。

 (16)当たっていた村田の肉離れによる戦線離脱が、話題を大きくし、同情心を誘った。

 (17)侍ジャパンの各選手の、グラウンドで見せる「気迫に満ちた戦士たる姿」と、ひとたび球場を離れたときに見せる「明るく、ひょうきんな姿」の、そのギャップの大きさが好印象を与えた。

(城島明彦)

2009/03/27

侍ジャパン ああ珍言・Oh迷句・ウム名言

イチロー、4連発
 ○「気持ちよかったです。ほぼイキかけました」
  ※絶不調ながらもイチロ驀進(一路ばくしん)、ここイチ番で結果を出した!

 ○「僕は持ってますね。いやぁ、神が降りてきたという感じ。日本ではものすごいことになっているんだろうな、と自分のなかで実況してた。またひとつ、壁を越えました」
  ※どんな天才にも壁がある。ましてや凡人には、壁また壁、そしてまた壁。
 
 ○「谷しかなかった。最後に山に登れてよかった」(イチロー) 
  ※「山高ければ谷深し」というが、イチローはその逆をいった! 

 ○「先輩をレスペクトしない、こういう感じが世界一につながった」
  ※前にも祝勝会で、こういうことをいっているが、「年齢を超えた団結力の強さ」をいっている。

内川聖一、2連発
 ○「最後は夢のなかにいるような感じだった。優勝の瞬間、グラウンドに立っていられてうれしかった」
  ※疲れてアゴを出した? 内川の、明るく、ひょうきんなところがいい。

 ○「決勝戦で、まさかこれだけ働けるとはおもっていなかったです。もう、たまらんす!」(内川)
  ※行きも帰りも、アゴあし付き! だが、やるときはやるし、人情の厚い、いい男。名誉の負傷で帰国し、その場にいなかった、村田のユニホームを優勝カップにかぶせてやった。

原辰徳監督
 ○「本当にお前さんたちは、強い侍になった! おめでとう!」(原辰徳)
  ※原ン万丈? ハラハラ、ドキドキの連続で胃が痛かった? 

岩隈久志
 ○「ナイスピッチングです。でも、僕が勝利投手です」
  ※がんばりを顔に出さないところがいい。もう一人の最高殊勲選手だ。

ダルビッシュ有
 ○「投げる前に3振だとわかった。3振した瞬間、わけがわからなくなった」
  ※投げる前に3振とわかるってか? 聞いているこっちも、わけがわからなくなったが、何をいっても許される。ダルビッシュ優。

藤川球児
 ○「勝ててよかった。野球は一人でやるものじゃないですから」
  ※自分の出番をダルビッシュにとって代わられて、辛かったろうが、ぐっとこらえるのが侍。

小沢一郎(小沢民主党党首の続投宣言を報じた「スポーツ報知」の記事)
 ○「イチから涙の出直し。WBC連覇&小沢代表起訴で民主党イチ喜イチ憂」
  ※世界のイチローと政界のイチロー(小沢一郎)。

松坂大輔
 ○「前回と立場がちがった。年下の選手に行動で示していかないといけなかった。普段やらないこともやった。非常にいい経験でした」
  ※優等生的コメントだが、日本人のすごさを世界に見せつけた真の侍。

中島裕之
 ○「バットに当てれば点が入る」
  ※これぞまさしく〝黄金バット〟!

野村克也(楽天監督)
 ○「マー君はもう少し使って欲しかった。パ・リーグのコーチを入れないとダメ」
  ※ぼやき大将の「ぼやき節」はいつまで続く?

落合博満(中日監督)
 ○「よかったんじゃない? おめでとうしかないんじゃないか。ほかに何かある?」
  ※選手を一人も送らなかった中日だけが、一人、カヤの外。セリーグ優勝できなかったら、あんたはクビ。

渡辺恒雄(読売新聞のドン)
 ○「視聴率40%以上、こんなのお化け番組だよ。興行的にいえば、そういうことができたってことは、まあ、11球団、一致団結してよかったなあ。一人も出さん球団もあった」
  ※ナベツネ、中日をツネツネ、チクリ!

星野仙一(北京五輪で4位の監督)
 ○「私が北京で失ったものをキッチリ取り返してくれた」
  ※あんたのおかげで、選手たちは一つになれたっちゅうの! 野心家のあんたには「夕刊フジ」の記事を贈ろう。『星野〝復活〟ほぼ消滅! 『名将』原の世代が到来』『今回のWBC監督候補の一番手に上がった星野仙一氏(62)の権威は完全に失墜。次期巨人監督就任の可能性は消滅した!?

岡田武史(サッカー監督)
 ○「われわれも5回目。あやかりたいね」
  ※日本人全員が、あやかりたい。

「日刊ゲンダイ」
 ○「昇天イチローの品格」
  ※文句つけなきゃ気がすまぬ〝日韓〟ちがいの〝日刊ぼやき新聞〟。

「USAトゥデー」
 ○「日いずる国がまたも野球の世界で頂点に立った」
  ※「日没する国」となっている今の日本に一筋の光明を当てたのが、侍ジャパン。

「AP通信」
 ○「不完全な大会の完全なるエンディング」
  ※不完全燃焼のアメリカ人観客の完全なるブーイング? 負けても負けてもアメリカが生き返る〝ゾンビ方式〟を採用し、「仕組まれた完全大会」になるはずだったが、それでもアウトだったアメリカ。

(城島明彦)

2009/03/26

重箱の隅(すみ)をつつくの、大好き! この数字、全部当てた人は〝WBC博士〟

 ★8万4000……侍ジャパン連覇を報じた「スポーツ報知」の号外の発行部数(東京・大阪・北海道)。
  ※号外希望者は、返信用切手(100円)を同封して、3月30日必着で申し込む。〒108-8485 報知新聞社販売局「侍JAPAN連覇号外」係。(郵便振替も可。問い合わせ先(TEL) 03-5479-1905。

 ★5万4846……日韓決勝戦を観るためにロスのドジャースタジアムに詰めかけた観衆数。WBC史上最多。アジア系が9割。

 ★8504円41銭……V2を達成した日本選手が金メダルを授与された午後2時50分につけた日経平均株価で、この日の最高値。

 ★310万ドル(約3億円)……侍ジャパンの獲得賞金の額。(為替レートは、1ドル=98円として計算)
 内訳は、優勝賞金270万ドル(約2億6500万円)プラス第2ラウンド1位通過賞金40万ドル(約3600万円)。賞金の半分は、規定により野球新興(アマチュア団体への支援など)のために使われる。本大会の賞金総額は、1400万ドル(約1370億円)。
 半額の約1億5000万円を監督・コーチら首脳陣7人、選手29人の計36人で均等に分配すると、1人あたり約4万3056ドル(約420万円)。
 これ以外に、日本プロ野球組織からの出場料(選手200万円、首脳陣に150万円)が加わるが、前回は優勝後に倍額となったという先例があるので、選手1人は、少なくても800万円以上をゲットする計算になる。

 ★1・35……岩隈のWBCでの防御率。4試合(1勝1敗)で20回投げたのは、WBCに出場した投手のなかで岩隈だけ。優勝決定戦で7回2/3を投げたのもWBC新記録。
 
 ★45・6%……日韓決勝戦9回裏、ダルビッシュが同点打をくらった午後2時03分の瞬間視聴率(関東地区。ビデオリサーチ調べ)。
 延長10回表にイチローが中前安打を放ち、勝ち越したときは39・9。同裏の韓国の攻撃でダルビッシュが最後の打者を3振に打ち取り、日本が勝った瞬間の視聴率は39・0%。
 視聴率としては、20日の2次ラウンド1位決定戦「日韓戦」が40・1%でわずかに上回ったが、こちらは祭日。
 準決勝の日米戦の平均視聴率は28・7%。
   (関東地区)テレビ視聴率比較(時間は、試合開始時間)
   1位……3月20日(祝)の「日韓戦」(TBS9:00~)  40・1%
   2位……3月7日(土)の「日韓戦」(テレ朝17:08~) 37・8%
   3位……3月24日(火)の「日韓戦」(TBS10:38~)  36・4%
   4位……3月9日(月)の「日米戦」(テレ朝18:39~) 33・6%
   5位……3月23日(月)の「日米戦」(TBS9:00~)   28・7%
 最低でも視聴率20・2%(3月19日(木)の日キューバ戦・TBS)だが、3月23日(月)の準決勝「日米戦」のアメリカのロスでの視聴率はわずか2・1%とか。
 東京ラウンドを主催した読売新聞の〝ドン〟ナベツネこと渡辺恒雄会長は、同グループの日テレが「放映料が高額なので損する」という理由で中継しなかったことにいたくご立腹、「テレ朝もTBSも、損するのはわかっていてやり、(高視聴率で)人気を博した」と、こきおろした。
 当の日テレはといえば、「真相報道 バンキシャ!」の〝偽相報道〟(虚偽証言を報道)が発覚し、社長が辞任する騒ぎに――。

 ★64・3%……1位になった3月20日(祭日)の第2ラウンド「日韓戦」の番組占拠率(同時間帯に、どの局を観ていたかを示す比率。関東地区)。中継したTBSテレビはウハウハ。

 ★550億円……関西大の宮本勝浩教授が試算した日本でのWBCの経済波及効果。NHK大河ドラマ「篤姫」が舞台となった鹿児島にもたらした効果の倍以上。

 ★3990円……スポーツ用品メーカー「ミズノ」が5月半ばから売り出す「優勝記念Tシャツ」「侍ジャパンの優勝までの試合結果をプリントしたもの」の価格。ミズノは、侍ジャパンにユニフォームを提供。野球帽は、2940円。

 ★約640人……シネコン「新宿バルト9」のスクリーンで日韓決勝戦の中継を観た観客数。「ビックカメラ有楽町駅前本店」での観戦客数は、約1000人だとか。

 ★24か国……次(4年後の2013年)の大会では、参加国が現行の16か国から50%増の24か国に拡大される模様。

 ★50:16……侍ジャパンが3月5日の1次ラウンド初戦から3月24日の決勝トーナメントでの日韓戦までに入れた総得点が50点。16点は、おなじく総失点。

 ★3割6分4厘……中島が記録した侍ジャパン選手のなかの最高打率(22打数8安打)。中島は、渡米直後に風邪で発熱し、全試合に出られず、打数こそ少ないが、打点6は青木に次ぐチームナンバー・ツー(村田も6打点)。

(城島明彦)

2009/03/25

「WBCを制した侍ジャパン」を報じたスポーツ紙の「一面、大見出し」比較

 政治不信、大不況、多発する凶悪犯罪……いいことがちっともなく、誇りと自信を失いかけていた日本と日本人のたまりにたまった憂(う)さと鬱憤(うっぷん)を一気に吹き飛ばしてくれた侍ジャパン。

 ちょっと時間ができたので、外出し、彼らの優勝を報じた今朝のスポーツ紙をコンビニで買ってきた。

 想像通りといおうか、似たり寄ったりの各紙の大見出しは、こうなっていた。(順不同)

 ●東京中日スポーツ
 「イチロー 神降りた」
 (写真)優勝カップを手にするイチロー(とその他の選手)

 ●スポニチ
 「世界イチ連覇!!」
 (写真)優勝カップを手にするイチロー(とその他の選手)

 ●日刊スポーツ(1面と最終面にまたがる記事と写真)
 「V2イチローが決めた」
 (写真)金メダルを首にかけた選手たち(中心にイチロー)

 ●スポーツ報知(1面から最終面にこぼれる記事と写真)
 「イチ連覇」(最終面は、原の胴上げ写真と「『神が降りてきた』イチ打」の見出し))

 ●サンスポ
 「世界イチ 興奮『イキかけた』」
 (写真)優勝カップを手にするイチロー(と他の選手たち)。

 ●デイリー
 「神のイチ撃 侍連覇」
 (写真)優勝カップを手にするイチロー(と他の選手たち)。

 (以下は、おまけ)

 ●夕刊フジ(AB統合版)
 「歴史刻んだ侍」
 (写真)会見のひな壇で笑顔を見せる原、イチロー、松坂(向かって左から順に)
 
 ●日刊ゲンダイ(AB統合版)最終面
 「日本連覇で『プロ野球』と『メジャーリーグ』に大激震」

 ●スポーツ報知 特別号(スポーツ紙は一部120~130円だが、これのみ200円)
 「WBC世界一采配で 原巨人日本一へ」
 (写真)東京ドームで手を振る小笠原。

(城島明彦)

2009/03/24

イチローをなめたらイカンぜよ! 韓国の超強気の作戦で、侍ジャパンは世界一になれた!

 本来なら侍ジャパン楽勝の試合だったが、走者を置いて適時打が出ず、9回表の攻撃を終えた時点で、12安打を放ちながら、3対2の1点差。

 粘る韓国は、9回から登板のダルビッシュの制球難につけいって、2つの4球を足がかりに、2アウトから執念でヒットで1点を奪取。3対3.とし、延長戦に。

 10回表、侍ジャパンは、先頭打者内川、岩村が連続ヒットで出塁して0アウト1・3塁と絶好のチャンス。
 たが、片岡の代打川崎はショートフライで、走者を返せず、1アウトとなって、イチローが打席に立った。

 このとき、サインかノーサインかわからないが、岩村が2盗し、成功。1塁ベースが空いてしまった。
 今日の勝敗を分けたのは、このときの韓国の超強気の采配。
 一塁が空いているにもかかわらず、当たりが出てきたイチローを歩かさずに、勝負に出たのである。

 イチローは、2ストライクを取られたが、ファールで粘って、センター前ヒット。2走者が返って、決定的とも思える2点が入った。

 10回裏の韓国は、先頭打者が4球で出塁したが、9回裏に全力を使い果たしており、もはや、それまで。侍ジャパンが5対3で韓国を退け、世界一の座についたのだが、監督が原だけに、最後の最後までハラハラさせた。

 この試合で、15安打も放ちながら、わずか5安打の韓国にぶざまに負けでもしていたら、それこそ原は「ハラ斬り」(切腹)ものだったが、かろうじて韓国を突き放した。終わりよければすべてよし、である。

 韓国チームは、WBCの全試合を通じて少ない得点しかあげられなかったが、勝ちあがってきたのは賞賛に値する。

 監督としての原辰徳のリーダーシップは、素晴らしいものがあった。
 彼は極めて控えめで、決して目立つことをせず、相手チームや審判たちを刺激しないようにしていた。なかなかできることではない。

 テレビ観戦していても、各選手が一丸となっている姿が感じられたが、それは、原の総帥力(そうすいりょく)であり、イチローの統率力であり、無念のケガで戦線離脱を余儀なくされた村田の見えない力でもあった。
 
 韓国選手がマウンドに韓国旗を立てなかったら、侍ジャパンは負けていたかもしれない。そのあたりの読みが韓国選手は浅かった。屈辱感ほどモチベーションを刺激するものはない。

 侍ジャパンが示した必勝術は、「野球は、点をやらなければ勝てる」ということだった。

 歴史に「if」はないが、「もし、星野が監督だったら、どうなっていたのか」と思わざるを得ない。
 原の力量が際立てば際立つほど、「星野仙一の北京五輪でのあの采配はなんだったのか?」という思いが強くなるのは、私だけだろうか。

 侍ジャパンの選手たちよ、睡眠不足にさせてくれて、ありがとう。

(城島明彦)

因果はめぐるか? 20年前の事件とWBCの韓国旗事件……頂点を極めるのは、日韓どちらか?!

 韓国が日本を破って2勝し、同国の選手が小さな太極旗をマウンドに立てるのを見たとき、私の頭のスクリーンに、ちょうど20年前のある出来事が二重写しになってよみがえった。

 ――1989年10月24日。その日、東京ドームで、日本シリーズの第3戦が行なわれた。
 戦ったのは、藤田監督率いるセリーグの覇者巨人と仰木監督率いるパリーグの覇者近鉄。

 巨人は、84勝44敗、勝率6割5分6厘で2位広島に9ゲームの大差をつけてのセリーグ優勝。
 対する近鉄は、71勝54敗で、5割6分8厘で、2位オリックスとはゲーム差ゼロ、勝ち数では1つ負けていたのに、勝率でわずか1厘上まわっていただけ。3位の西武とも0.5ゲーム差という、きわどいパリーグ優勝。
 
 近鉄は、接戦を制したことがよかったのか、藤井寺球場での初戦を4-3、第2戦を6-3で巨人を下し、東京ドームでの第3戦に臨んでいた。
 
 巨人は、近鉄の先発加藤哲郎が7回1/3を投げ、村田、吉井とつないで、巨人打線を3-0で完封、王手をかけた。巨人は先発宮本以下、水野、槙原、吉田、斎藤と5人もの投手をつぎ込んでの敗戦だった。

 試合後、3連勝の立役者となった勝利投手の加藤は、インタビューを受けて、自信たっぷりに、こういい放った。

 「巨人はロッテより弱い!」

 その年のロッテと首位近鉄の差は、実に21.5ゲーム。パリーグのお荷物球団であった。

 そういうチームと一緒にされた巨人の選手は、激しい屈辱感を覚え、怒り心頭に発した。そして巨人は、第4戦以後、4連勝して奇跡の大逆転で日本シリーズを制したのだ。

 第5戦で巨人の4番打者だった原辰徳は、怒りの満塁ホームランを放ち、最終戦となった第7戦では、駒田が加藤からホームランをかっ飛ばし、ベースを回るとき、加藤に「このバカが」と呟いた。

 2009年の日韓最終戦は、奇しくも、今から20年前の因縁の日本シリーズ第3戦が行われた日と同じ「24日」に戦われる。
 しかも、その日本軍を率いるのは、当時の巨人の4番打者だった原辰徳であり、その実況中継(TBSテレビ系列)の解説者は槙原である。これは、単なる偶然ではないように思えるのだが……。

 とすれば、日韓戦の第5戦を制して世界の覇者となるのは、おのずと決まっている。

 あと5時間で、その試合が始まる。

(城島明彦)

2009/03/23

侍ジャパン軍、WBC米軍を9対4の大差で撃破し、韓国と決戦へ!(日米戦の詳細)

 2009年3月23日、午前9時。WBC対米軍戦の火ぶたは、切って落とされた。

 ゲーム開始早々、悪夢が襲った。先発の松坂が先頭打者ロバーツにホームランをかっ飛ばされ、嫌な思いが頭を駆け抜けたが、松坂は初回を1点で切り抜けた。

 侍ジャパン軍は、2回裏に、先頭打者稲葉が4球で出塁、次打者小笠原がヒット&ランを決め、1・3塁。福留は浅いレフトフライで3塁走者の小笠原はホームをつけなかったが、続く城島がキッチリとライトに犠牲フライを打ち上げ、1対1の同点にした。

 しかし、米軍は3回表に2アウトからロリンズがヒットで出塁すると、2盗を決め、次打者ライトがヒットを放って加点して、また1点リードされてしまった。

 その裏の侍たちは、先頭打者の初スタメン川崎〝大応援団長〟が、いきなりバントしするという奇襲戦法に出た。これは失敗だったが、心意気やよし。これぞまさに日本の野球だ。
 川崎は塁に出られなかったが、次打者イチローの3塁ゴロを〝ニューヨーク・ヤンキースの貴公子〟ジータが一塁へ悪送球し、イチローは2塁へ進塁。同点のチャンスだったが、中島、青木と凡退して、この回は0点。

 4回表の米軍の攻撃を松坂がを3者凡退で退けて迎えた4回裏、侍ニッポン軍の打棒が大爆発した!
 中島、小笠原の連続ヒットでランナー1・2塁。福留は送りバント失敗後、ヒッティングに転じ、敵失を誘って走者を進め、城島がまた犠打を放って小笠原がタッチアップからホームイン。
 続く岩村は、それまでのうっぷんを晴らすかのような大3塁打でさらに加点。次の川崎は、イチローそっくりの打ち方でチョンと当てるヒットで出塁。イチローが3塁ゴロで倒れた後、中島が右中間にドカンと2塁打を放って、この回一挙に5点。まさに、怒涛の攻撃であった。

 6対2と侍ジャパン軍が大きくリードしたまま、5回、6回、7回と両軍ゼロを重ねた。
 この間、侍ジャパンは、松坂(98球)⇒杉内⇒田中とつないでいた。

 このまま逃げ切るかもしれないと思えたが、8回表に米軍が吼(ほ)えた。
 この回から登板した馬原は、先頭打者を打ち取るが、どことなく力みがあり、そこにつけ入った米軍が怪力で襲いかかって、2塁打(ブラウン)、4球(マッキャン)と走者をため、次打者デローサが3塁線を抜くヒットを放った。これを青木がファンブルし、その間に2者生還して6対4.。打者は3塁をおとしいれた。
 一発出れば、あっという間に同点。しかし馬原はかろうじて後続を断ち、6対4で8回裏の侍軍の攻撃に移る。

 先頭打者の福留が4球で出塁し、ピンチランナーに俊足の片岡。打席に立った城島は、ベンチの指示通りに送りバントをし、1アウト2塁。次打者岩村の2塁ゴロで、片岡は3塁へ進塁。そして〝ムードメーカー〟川崎が、またしても、イチローのお株を奪う打ち方で、内安打し、おまけに2盗も決める大活躍で、一気に押せ押せムードに。
 ここで、今回〝絶不調〟で、この日もゴロしか打てなかったイチローの出番。だがイチローは、ここ3試合、〝低血圧型・超スロースターター〟で、体が目覚めるのは終盤戦。

 この日もそうだった。大リーグの記録ホルダーとしてのサムライの意地が爆発した、低すぎるクソボールをマジック打法でライト前にはじき返し、8点目を叩きだしたのである。
 続く中島は、右中間に2塁打を放ち、イチローが快速を飛ばしてホームを踏み、取られた2点に利息を1点つけて3点として、侍ジャパン軍は、8回裏の攻撃を終えた。
 この時点で勝負あり!

 最後は、藤川ではなく、ダルビッシュまで投入して慎重を期した。
 ダルビッシュは、9回表の先頭打者ジータをショートゴロに封じた後、この日大当たりのロリンズにライト前ヒットを1本打たれはしたが、その後は2者連続三振に仕留めて、はい、それまでよ!

 終わってみれば、9対4で、侍ジャパン、余裕の大勝利!
 故障者続出の米軍は9安打を放ってはいるが、散発で長打は少なく、対する侍軍は安打数10本と数字的には1本上まわっているだけだが、得点に結びつく安打・長打が多く、しかも小技あり、強襲あり、強攻による大技ありで、米軍を撃沈させた。
 
 米連合軍を率いる監督は、かつて巨人でプレーしたことがあるジョンソン。
 彼は、韓国、日本の強さを目の当たりにしたことで、日本式の細かい野球を意識しすぎるあまり、アメリカ野球本来のダイナミックさを忘れ、小さな野球をしてしまった。
 つまり、細かい野球同士の対決となれば、元祖日本のほうが強いに決まっている。それが、アメリカが勝てなかった大きな原因ではないか。負傷者がいっぱい出たということもある。

 明日は、いよいよ韓国との最後の戦い。この勢いで、韓国を大差で撃破だ!

(城島明彦)

2009/03/22

いたましや村田修一、全治6週間とは!

 日本の意地ががかかったWBC日韓戦で太ももを痛め、戦線離脱した横浜ベイスターズの村田修一は、全治6週間というではないか。

 開幕に間に合わないどころか、4月、5月を棒に振ることになる。なんとも、いたましい話である。

 急遽(きゅうきょ)、彼の代役ととなった広島の栗原にがんばってもらうしかない。

 韓国は強い! 今朝(3月22日)のベネズエラVS韓国戦は、10対2の大差で勝っての決勝進出。憎たらしいほど強い。

 だが、ベネズエラもだらしがない。大リーガーがそろっていて、草野球よりひどい凡ミスを次々とやらかしては、勝てっこない。

 「アメリカと比べると、ベネズエラの方が組しやすし」
 というのが戦前の下馬評だったが、まさにその通りの展開になった。

 「決勝では、できればベネズエラと当たりたかった」
 というのが侍ジャパンのホンネだろうが、(どうしても世界一をめざすというのであれば)戦略的にわざと韓国戦で3敗してしまえばよかったのだが、そうできなかったところに問題がある。

 日本が日韓戦を2勝1敗とリードしていれば、(批判はあるかもしれないが)4戦目に「わざと負けるという作戦」はありえた。

 しかし、1勝2敗となり、しかも、眼前でマウンドに韓国旗まで立てられては、4戦目をわざと落とす可能性はゼロになった。

 かくて、すべては明日のアメリカ戦にかかってきた。

 今日勝った韓国は、日本が勝ちあがってくるよりも、アメリカが勝ってくれることを祈っているだろう。韓国は、日本の投手から大量点を奪えていないからだ。

 韓国との最終決戦にたどり着く前に、アメリカが立ちはだかっている。

 太平洋戦争での真珠湾奇襲はまずかったが、平和なスポーツでの日米決戦なら、誰も文句はいわない。
 奇襲、大いに結構! どんどんやるべし。

 侍ジャパンの選手たちよ、〝井伊直弼(いいなおすけ)の呪い〟で負傷した(?)村田修一の無念の思いを全身で受け止めて、まずは〝大リーガー・オン・パレード〟のアメリカを撃破せよ!

(城島明彦) 

2009/03/21

WBC村田修一のケガは、〝横浜開港150周年の呪い〟?!

 村田修一(横浜ベイスターズ)が太ももの肉離れで戦線離脱を余儀なくされたのは、3月20日のWBC日韓第4戦であった。⇒(東洋の)不吉な数字「4」

 村田の誕生日は、1980年12月28日
 12月28日⇒1+2+2+8=13 (西洋の)不吉な数字「13」(アメリカでケガをした)

 ケガをしなければ、村田が出られたであろう近未来のスケジュールは、こうなっていた。

   23日……WBC準決勝「日米対決」
   24日……WBC決勝
   25番……村田の背番号
 
 この数字の順番が気になる。

 「侍ジャパン」というネーミングは、とても新鮮で、今回のWBC人気を盛り上げた大きな要因の一つだが、実は過去に「侍ニッポン」という題名の小説・歌・映画があった。

 「侍ニッポン」という歌が大ヒットしたのは、5・15事件の前年の昭和6年(1931年)。
 1931年⇒1+9+3+1=末尾が「4」 
 「侍ニッポン」は最初は小説として書かれたが、ベストセラーとなったため、即映画化され、同名の主題歌も大ヒットしたのである。

 小説「侍ニッポン」の作者は郡司次郎正(ぐんじ・じろまさ)で、幕末の「桜田門外の変」で暗殺される大老井伊直弼(いいなおすけ)のご落胤(らくいん)という設定の新納鶴千代が主人公。(新納は小説では「にいの」と読むが、西條八十(やそ)作詞の歌詞では「しんのう」となった)

 井伊直弼が暗殺されたのは、安政7年3月3日。(7+3+3=13.)

 安政という日本の年号を西洋の13という数字と結びつけるのはおかしいと思うかもしれないが、この数字には、和と洋が絡んでいる。
 これは旧暦(きゅうれき)で、今の暦(こよみ)では3月24日なのである。つまり、この日はWBCの決勝当日。村田は、出場できないということを暗示してはいないか?

 和と洋の不吉な数字が奇妙に絡む意味は、なぜ井伊直弼が暗殺されたかということと密接な関係がある。

 井伊直弼は、孝明天皇の勅許(ちょっきょ)なしに独断で米英仏露蘭の5カ国と「不平等条約」を結び、開国・開港したが、その暴挙に尊皇攘夷派が異を唱えると、井伊直弼は、問答無用とばかりに、彼らのリーダーたち(坂本竜馬たちの先生である吉田松陰ら)を処刑したのである。この事件を「安政の大獄」という。
 
 怒った尊皇攘夷派の急先鋒である水戸浪士たち17名プラス薩摩浪士1名が、登城途中の井伊直弼を桜田門外に襲撃し、殺害した。これが世にいう「桜田門外の変」である。

 今年は横浜開港150周年で、村田修一は、その横浜のシンボルの一つである横浜ベイスターズ球団の選手会長に今シーズンから就任している。

 「〝井伊直弼の呪い〟なんかない。単なる偶然の一致だ。こじつけだ」
  と一笑にふすには、あまりにも偶然の一致が多すぎるのではないか?

 蛇足……今年の夏は、横浜を舞台にした面白い怪奇小説『横濱幻想奇譚(きたん)』(仮題)を出す予定なので、本が出たら買ってね。(既刊の『怪奇がたり』『恐怖がたり42夜』(いずれも扶桑社文庫)も、よろしく)

(城島明彦)

村田修一(横浜ベイスターズ)、〝名誉の負傷〟で戦線離脱。これがあるから、落合は中日の選手をWBCに送らなかった

 宿命の対決日韓戦の第4戦、村田修一は、2回表のヒットに続いて、4回表にもヒットを放ち、1塁ベースを踏んだが、その直後に太ももに肉離れが起きて、無念の戦線離脱。そのまま病院送りとなった。

 「村田選手は重傷」と原監督がコメントするのを聞いて、選手を送るのを拒否した中日の落合は、きっと心のなかで、「いわんこっちゃない」と呟いたに違いない。

 ペナントレースの開幕を直前に控えたこの時期の肉離れは、彼だけでなく、横浜ベイスターズにとっても「悪夢」。しかも彼は、今年から選手会長。そういうキーマンのケガは、チームの勝敗を大きく左右することになる。

 お国のために働き、大きな手柄をたてたが、戦場で負傷し、チームのためには働けなくなってしまったことは、複雑である。

 村田は、WBCに7試合出場して25打数8安打、ホームラン2本、打点7。打率3割2分0厘という絶好調といってもよい好成績だったから、ロスでのアメリカとの準決勝、そしてその先の優勝決定戦(決勝)での活躍が期待されていた矢先の出来事であった。

 彼は、北京五輪でも、風邪で調子が悪かったのに、監督の星野は休養を取らせず、酷使し続け、その結果、出場選手中、下から4番目というひどい打撃成績で終わってしまった。

 こういう無茶で露骨な選出つぶしを見て、落合博満は、「うちの大事な選手をWBCでつぶされてはかなわん」と思ったのだ。こういう点でも、星野仙一が犯した罪は重い。無茶な指令を発して兵士を無駄死にさせた指揮官は、太平洋戦争中の日本軍にはたくさんいた。

 村田には、内心、北京五輪での屈辱を晴らそうという秘めたる闘志があったに違いない。

 私は熱狂的な中日ファンだが、「村田はよくがんばった。一日も早く復帰できることを祈る」と声をかけてやりたい。

 選手にケガはつきものとはいえ、また不可抗力であるとはいえ、原には、〝親御(おやご)さん〟(各チームの監督)から〝よそ様の大切なお子さん〟(各選手)を預かった責任がある。原の心情が知りたい。

 蛇足になるが、彼の心境を、「侍ニッポン」の替え歌で。

  敵を討つのが 侍ならば
  ロスへの未練が なぜ斬れぬ
  伸びたあごひげ さびしく撫でて
  村田修一 苦笑い

 ※1931年(昭和6年)に大ヒットした「侍ニッポン」(西條八十作詞)の元歌(1番の歌詞)
  人を斬るのが 侍ならば
  恋の未練が なぜ斬れぬ
  伸びた月代(さかやき) さびしく撫でて
  新納鶴千代(しんのう・つるちよ) 苦笑(にがわら)い

  (月代とは、侍の頭の中央部の剃った個所のこと)

  「村田修一のケガは、実はある人物の呪いではないか」と、私はひそかに思っている。その話は次回。

(城島明彦)

2009/03/20

WBC侍ジャパン15安打で、韓国を6-2で撃破し準決勝(対アメリカ)へ。それでこそ、ニッポン男児!

 今日もまた、仕事そっちのけで、WBCのテレビ中継を観てしまった。
 
 前回の日韓戦のテレビ中継は、昼日中にもかかわらず、20%を超える高視聴率だったとか。韓国戦への日本人の関心の高さがうかがい知れる。

 さて、その侍ジャパンであるが、準決勝進出を昨日のキューバ戦の勝利ですでに確定させてはいるが、韓国との4度目の対決となる本日の試合は、「負けたら、国の恥」といわれること必定(ひつじょう)。

 プレッシャーのかかった侍ジャパンは、先発の内海が初回裏に韓国に1点を先取され、「やばい」と思わせたが、踏みとどまって一点どまり。

 それが功を奏し、2回表の攻撃で、内川が豪快なホームランを放ってまず同点。次打者の村田のヒットと敵のエラー絡みの、いつもと違う展開で2対1と逆転。

 回は進んで、7回裏。
 投手は、村田-小松とつないで田中将大。2打者を3振に取り、根性を見せた田中だったが、若さが出て、ドカンと一発かまされ、たちまち2-2.。

 しかし、田中の後を受けた小松が快投して追加点を許さず、その裏、青木のバントヒットに始まり、韓国投手をうまく攻略して3点を奪取して5-3。
 このあたりで、なんとなく、勝利の予感。

 抑えに涌井までひっぱり出す慎重さで、さらに馬原、藤川とつないで、最小点の2点に抑えきった。

 ところで、イチローだが、前日13打席目にヒットを放った次に打席で3塁打をかっ飛ばしはしたものの、本調子とはいえず、この日も最終回のヒット1本のみで、5打数1安打。

 侍ジャパンはヒット数こそ15安打だが、打棒爆発という感じにはほど遠い。

 しかし、ぜいたくはいえない。韓国と2勝2敗のイーブンに持ち込み、4強に残ったのだから。

 試合が終わって、ふとカレンダーを見ると、春分の日。今日は祝日であった。物書きには、祝日も祭日もないが、今日は楽しく仕事ができそうだ。

 それにしても、この前の「マウンドに韓国旗」の試合中継のテレビ視聴率を、関東。中京・関西の3地区で比較すると、冬はもう終わりだが、冬型の気圧配置と同じ「西高東低」。

 一番低かった地区が、どこだったかはいうまでもない。
 一人も選手を送っていない中日のファンがほとんどを占める中京地区だったんだよ、落合博満どの!

(城島明彦)

WBC4度目の日韓戦の先発は巨人の内海だが、大丈夫なのか?

 内海の防御率は、2004年以降、5.14、5..04、2.78、3.02と来て、昨シーズンは2.73.。

 ということは、松坂や岩隈のように完封を期待するのは難しく、打線が3点以上取ってやらないと勝てないという計算になる。立ち上がりが、すべてだ。

 日韓戦の第2戦目のように打棒爆発といくかどうか。午前10時の試合開始を前に不安がよぎる。

 報道を見る限りでは、侍ジャパンの選手の面々は、韓国選手がマウンドに立てた韓国旗を見て屈辱感と怒りを感じているようだ。
 
 それにしても、WBCは異様なほどの盛り上がりを見せ、〝付和雷同(ふわらいどう)型のにわかファン〟まで現れる始末。

 オフィス街や繁華街にある電気店の前は、黒山の人だかりとまではいかないが、何人もの通行人が足を止めてテレビの中継画面を見つめている。中心は、少年時代に草野球に熱くなったオヤジたちだが、野球のことなどろくに知りもしない妙なおばさんまで混じっているのが、不思議である。

 こういう連中は、「ヨン様」に群がるのと同じ感覚で、〝ハンサムボーイ〟岩隈をうっとりと眺め、〝クールガイ〟イチローに熱い声援を送っている。

 各テレビ局が、芸能番組のような感覚で長時間を割いてWBCを取り上げている影響もあるのだろうが、どこか違うのじゃないか?

 その連中が、ペナントレースが始まったとき、果たしてテレビの野球中継を見るようになるかどうか、そのあたりが興味を引く。

 国別対抗となると、どの国もつい熱くなってしまうのだろうが、戦争で殺しあうのではないから、まあ、いいか。
 
 あと45分もすれば、日韓戦のプレイボールだ。今日は、勝てよ! 

(城島明彦)

2009/03/19

(WBC)侍ジャパンは、〝ゾンビ・ルール〟のおかげでまたキューバに勝ったが、「春眠暁を覚えず打線」で韓国に雪辱できるのか?!

 今日は仕事の打ち合わせがあって出かけたため、対キューバ戦のテレビ中継は3回表の日本の攻撃が終わった段階で見られなくなった。

 出版社の会議室での打ち合わせが休憩になり、コーヒーブレークになったとき、別室に行った編集者が「日本が勝ってる!」と大きな声でいったので、会議室のテレビをつけたら、9回表で4対0。打席にイチローが立っていた。
 「イチローは、その前の打席で13打席目にヒットを放った」とアナウンサーがいっていたが、アップで映し出される彼の顔は、苦渋に満ちているように見え、テレビ観戦しているこちらも辛かった。

 (彼は、侍ジャパンをこれまでずっと引っぱってきた。その疲れが出ているのか)
 と思って見ていると、センターオーバーの3塁打をかっ飛ばした。

 しかし、2打席連続ヒットではあるが、まだ本物かどうかはわからない。

 侍ジャパンの勝利は、投手力のおかげだ。侍ジャパンの投手は、どの相手チームに最少得点しか与えていない。前日のダルビッシュも、初回に〝血迷って〟3点を奪取されたが、その後は失点しなかった。ペナントレースなら、「あとは打線の援護を待つだけ」とテレビ中継のアナウンサーが常套句(じょうとうく)を口にするところだ。

 しかし、打線は湿りっぱなし。日本刀に替えて侍ジャパンの打者が構えるバットは、空音(くうおん)を響かすばかり。これが、韓国に2度も苦杯を舐めさせられた主原因である。

 この日は、8安打で効率よく5点もあげたが、キューバも5安打。しかしキューバ打線は、前日の対韓国戦の日本同様、点に結びつかない非効率的なヒットだった。

 キューバ戦のこの日の投手は、先発の岩隈(6回)、リリーフが杉内(3回)。二人で完封したのは立派。

 さて、〝カリブの海賊パワー〟キューバにこそ2戦連続して勝ちはしたが、韓国に対しては、3度目の正直とはいかず、グラウンドに韓国旗まで立てられるという〝世紀の屈辱感〟を味わった侍ジャパンよ、もう後がない。

 韓国戦は4度目になるのだから、勝って当たり前。

 4度も挑戦できるのは、「ダブルエリミネーション」とかいう〝ゾンビ・ルール〟のおかげだぞ。

 ゾンビ映画の本家アメリカのチームは、負けても負けてもジ・エンドにならずに、また生き返ってくる。日本はそこまで行ってはいないが、対韓国戦に限っては、似たような印象だ。

 したがって、ただ勝つだけではダメだ。韓国民や韓国チームの選手が、なにもいえないような勝ち方をしないといけない。キムチ韓国に、梅干ジャパンの底力(そこぢから)を見せてくれ!

(城島明彦)

2009/03/18

WBCのグラウンドに韓国旗! そこまでされて優勝できなかったら腹を切れよ、侍ジャパン!

 WBCの対韓国戦(準決勝)テレビ中継が始まりそうになると、落ち着かなくなり、AM11時50分からテレビの前へ。

 「勝てよ」と願いつつ、試合が始まると、あろうことか、いきなりダルビッシュがスリーボール。なんじゃい、これは、と悪い予感がしたと思ったら、案の定(じょう)、ワン・スリーからヒットを打たれ、その後、2盗を決められた。
 「ダルビッシュだけに体でもダルいのか」と、おやじギャグをかましてはみたが、そのあとも制球定まらず、あっという間に3点献上。

 「えらいことになったなあ」とボヤいていると、何と、2回以後は見違えるように立ち直って、バッタバッタと7三振を奪う好投をみせるではないか。初回の乱調、あれは、なんだったの?

 初回の3失点には、また岩村が絡んでいた。ブレーキ男岩村は、9回2アウトで打席に立ち、見逃し3振。守備では2度にわたる拙守で初回に韓国チームに点を与えた。ツキに見放された岩村は、9回アウトで最終打席に立ち、見逃し3振。これまでもさんざん足を引っぱってきた疫病神は、さげなくては!
 
 
 侍ジャパンで一番当たっている城島が、これまた、あろうことか、審判の感情を逆なでして退場とは!? こんなの、あり?

  
 チャンスで打てず、走者は出ても塁を進められない。イチローも大ブレーキ。小笠原も、大ファールが目立つだけ。どの選手も、肝心なところで根性を見せられなかった。

 投手も、生気を欠いた。中継ぎのアンダースロー(サブマリン投法)渡辺など最悪。根性までサブマリン(水面下に撃沈)か、4球連発で押し出し。なんじゃい、これは? 山田(投手コーチ)は何を考えているのか。

 侍の名が泣く、なんとも〝おぞましい試合〟だった。

 終わってみれば、4対1で完敗。侍ジャパンは、拙攻に次ぐ拙攻、安打数では韓国を上回る7本という結果ではあるが、散発の7安打では、どうしようもない。

 ゲームセットになったとき、韓国選手がピーチャーズ・マウンドにちいさな韓国旗を立てた。
A級戦犯がゴロゴロ出た、この日の侍ジャパンのナインは、どんな思いでそれを見た?

 これだけの恥辱はないぞ!

 敗者復活戦でキューバ戦に勝って、決勝に出、韓国を完膚(かんぷ)なきまでに叩きのめせ。それができてこそ、真の侍だ。
 
(城島明彦)

2009/03/16

気分爽快! 侍ジャパン、キューバ粉砕。松坂は武士道精神を発揮した!

 眠い。朝4時45分からの(WBC第2ラウンド)「対キューバ戦・実況中継」は眠くてつらかったが、面白かった。

 侍ジャパンの打者が、キューバの160キロ投手チャップマンをコツンコツンと当てにいくのを見て、チャップマンの調子はベストではないなと感じた。

 攻略法が完璧にできていたらしい。揺さぶり戦法も効を奏した。破壊力はあっても大味なチームには、やはり「小技」が効くということだ。

 松坂がすごかった。松坂の立ち上がりは、例によって、あまりよくなかったが、走者を出しても後続をピタリと断ち、以後は、快刀乱麻(かいとうらんま)ともいうべき、奪三振ショーだった。
 松坂のおかげで、彼の後を継いだ岩隈も、藤川もよかった。野球は、こうでなくっちゃ!

 テレビ観戦していた人は、今日一日、楽しい気分で過ごせるだろう。私も、試合後、睡魔に襲われ眠ってしまったが、侍ジャパンのおかげで今日は仕事がはかどっている。

 松坂の活躍で、原辰徳はまた男を上げた。
 それに反比例して、イチローが出てくる製薬会社の薬のCMに出ている星野仙一は、何もしなくても、相対的に男を下げた。
 この製薬会社、イチローが毛嫌いしているダーティ・イメージの星野を起用するなんて、一体全体、何を考えているのだろう。

(城島明彦)

2009/03/15

WBC第2ラウンド初戦「キューバ戦」とカーネル・サンダースの呪い

 WBCの第2ラウンドの「侍ジャパン」の初戦は、日本時間の3月16日早朝から試合が始まる。

 対戦相手のキューバチームは、赤いユニフォームから「カリブの赤い稲妻」と呼ばれているそうだが、アメリカ同様、国技で、しかも野球大学のようなところまであって選手を育成しているというから驚く。

 赤い稲妻から「雷」の英語サンダーが浮かび、そこから、この時期にタイミングよく道頓堀川から発見された〝カーネルの呪い〟の「カーネル・サンダース」(ケンタッキー・フライドチキンの創業者)を連想してしまった。

(もしかすると、〝カリブの赤い稲妻の呪い〟が、しかも「サンダース」と名前の末尾には複数形であるかのようなSまでくっついているので、〝2倍の呪い〟が侍ジャパンに降りかかってくるのではないか?)

 一瞬、そう思ったが、雷は〈thunder〉で、カーネル・サンダースのほうは、〈Sanders〉。
 スペルが違っていて、サンダー違いであった。
 それにしても、日本語の発音は同じという怪しげな名前ではある。

 キューバは、時速160キロというとんでもない最速記録を持つ投手(A・チャップマン)を先発にぶつけてくるようだが、ゆるいカーブと直球とでは、投球ホームが微妙に違っている。
 「侍ジャパン」は、そこをどう研究したか?!

 キューバ人は肉食のラテン系。巨体で怪力、腕力が強く大振りし、当たれば飛ぶ選手が多く、大味な試合をするのが特徴の〝ブンブン丸チーム〟だから、乱打戦になったら、とても勝ち目はない。
 
 彼らの得意な〝怪力勝負の大味野球〟という土俵に引っぱり込まれないようにするには、先発が予想される松坂は、球種を多くして的を絞らせることなく、しかもコーナーを絶妙について、打者をイライラさせる戦法が効果的だろう。

 甲子園球児も真っ青のバントなどの小技攻撃や足を絡めた〝セコイ〟と思われるような草食人種の戦法を、これでもかこれでもかと連発し、カリブの海賊の末裔どもをあわてさせれば、勝てるのではないか。
 
(城島明彦)

日本文化をコケにしまくる朝青龍に「物言い」! 内館牧子さん、 何とかしてよ! 

 朝青龍は、3月13日に行なわれた「ガールズコレクション」というファッションショーに、彼が出ているテレビのCMのキャラである学ラン姿で出場した。
 相撲協会の許可を得ての出場というから、あいた口がふさがらない。歴代の横綱の誰が、ファッションショーに出たか?

 朝青龍は、マスコミの取材に満面に笑みをたたえながら応じ、丁重な言葉で機嫌よく答えていたのだが、切り上げる寸前、芸能レポーターからだろう、気に食わない質問を浴びせられたとたん、表情と態度と言葉づかいが一変して怒りの表情になり、「あたりまえろう」と横着(おうちゃく)な言い方をした。

 芸能レポーターも芸能レポーターだ。この連中は土足で平然と人様の家に上がりこむようなたぐいの質問を平然と浴びせかける。
 だが横綱たるもの、いかなる場面で、いかなる質問を浴びせられても、怒りをぐっとこらえて、少なくとも表面的には冷静沈着に丁寧な言葉で終始対応しなければならない。
 
 それが横綱のとるべき正しい態度であり所作(しょさ)なのである。
 しかるに、この男、まったく自分の立場をわきまえておらず、すぐにぶち切れる。

 相撲は日本の国技である。国技の頂点に立つ横綱は、ただ強ければいいというのではないにもかかわらず、朝青龍の言動には、「勝てば文句はないだろう」「勝てば何をしてもよい」という不遜(ふそん)な気持ちが垣間(かいま)見える。

 どの力士かは忘れたが、「横綱とはどういう存在か」と聞かれたとき、「神様です」と答えていた。

 土俵上の態度は無論、土俵を離れても、相撲界を代表するものとしての矜持、態度、品格、威厳をそなえた行動を取ることが求められるのが、横綱である。

 昔の力士は、総じて「無口」であったり「口数の少ないうえに、口べた」という者も多く、勝ち力士にインタビューするNHKのアナウンサーは、コメントを引き出すのに苦労していた。
 それが幸いし、力士は「寡黙で、どこか神秘的」で、「ひじょうに紳士的」であるという印象をファンに与えた。

 それが昨今の力士はどうだ。子供時代から見つづけてきたテレビの影響か、話し上手、ひょうきんな力士が増え、勢いあまって〝口害問題〟を引き起こす力士すら出てきた。

 名横綱北の海も貴乃花も、現役時代は、「もう少しリップサービスしろよ」といいたくなるくらい、愛想が悪かった。だが横綱はそれでいいのだ。

 朝青龍は、横綱が特別な存在であるということを知ってはいるが、「理解できていない」のではないか。親方の元朝潮が厳しく教えていないのだろう。
 朝潮も現役時代は頼もしい感じがしたが、親方になってからの〝大ちゃん〟は救いようのない〝甘ちゃん〟バカ親方になってしまった。

 朝青龍は、明るく、ひょうきんで、優勝インタビューでファンの歓声に手をあげて応える。あげくのはてに、「大阪、好きやねん」などと上手な日本語でリップサービスにこれ努める。心得違いも、はなはだしい。
 そういう横着な姿を見ていると、「おまえは不良芸能人か」と毒づきたくなってくる。

 力士がサッカー選手や野球選手とは違うということや、優勝力士のインタビューと、ゴールを決めたサッカー選手や野球の勝利投手のインタビューとはまったく違うということが、朝青龍にはまるでわかってない、というより理解できていない。
 ファンサービスしたいのなら、部屋に帰ってからタニマチ相手にやれ! 地方巡業先でやれ! 

 朝青龍は、頭は悪くなさそうだから、理解できないのではなく、理解しようとしないのだろう。ということは、確信犯的なところがあるといえる。
 確信犯でやっているとなれば、それは日本や日本人を愚弄し、日本文化を蹂躙(じゅうりん)していることと同義である。

 勝って土俵上でガッツポーズをするわ、勝負がついているのに対戦相手をさらに突き飛ばすわ、土俵上で相手力士にガンを飛ばすわ、朝青龍がやっていることは「相撲道」に反し、横綱にあるまじきする行為である。
 そんなことを何度もくりかえした横綱が過去にいたか? そういうことをやりたいなら、プロレスかK-1にいけ! 

 朝青龍は、たとえモンゴル人であっても、相撲が日本古来の神事と結びついた神聖なる格闘技であることぐらいは知っているだろう。

 「勝っても敗者に敬意を払い、土俵上では、ガッツポーズはおろか、笑顔すら見せてはいけない」
というのが古来からの相撲道である。
 剣道、柔道を例にあげるまでもなく、日本の武芸は「礼に始まり、礼に終わる」。相撲は、剣道や柔道以上に古来の礼儀、形式、威厳を尊(たったと)ぶ。

 「そういうことを守れないのなら、そういう礼儀作法を守れないのなら、やめてもらう」
と、武蔵川理事長はなぜいえない。

 朝青龍は、わかっていてやっているから、余計、たちが悪い。

 イスラムにはイスラムの、中国には中国の、モンゴルにはモンゴルの宗教、文化、伝統、しきたりがあり、日本には日本だけの宗教や文化、伝統がある。
 異国人がその国の人に混じって生きていこうと思ったら、そういうことを容認し、敬意を払って古いしきたりや伝統に従わなければならない。それがルールだ。

 朝青龍には、そういう認識が欠けている。

 そういうことを注意できる人間は、親方以外にも彼の周囲にいるだろう。
 テレビなどを通じて「日本人、かくあるべし」などと偉そうなご高説を垂れていた〝朝青龍の日本の母〟を自称する占い師の細木数子は、一体、〝わが子・朝青龍〟にどんな説教を垂れてきたのか。

 軟弱な母親や若い人を本気で叱り飛ばしながら、わが子は叱れないというのか!?

 相撲協会も情けない。何場所も続けて休場していた朝青龍が、久々に出場すると大入り満員になるという現象や、引退の崖っぷちで踏ん張り、大方の予想を裏切って優勝までしてしまうということが、相撲協会を黙らせているのだとしたら、もはや救いがたい。

 くりかえすが、横綱は、ただ勝てばいいというのではない。横綱にふさわしい勝ち方をしなければならない。何度も待ったをしたり、立会いに飛んだり、いきなりはたいたりするようなことは横綱には許されないのだ。

 張り手も同様だ。取り組み途中で張り手が出るのは流れからいってしようがないが、いつもいつも立った直後に張り手をかますというのは見苦しく、相撲の美学を汚す。

 歯に衣着せぬ解説や力士への叱責コメントで好感が持てる北の富士も、こと張り手となると、朝青龍にほとんど苦言を呈しないが、彼の現役横綱時代は、私の記憶違いでなければ、立合いで張り手をかましたりするような、みっともない相撲はとらなかったのではないか。

 朝青龍は、張り手が多すぎる。なぜ張り手がよくないかといえば、顔は鍛えようがないからである。
かつて巨体横綱だった大乃国(今ではスイーツ作りの名人としても知られるが)は張り手をくらって一瞬失神し、土俵に崩れ落ちたことがある。
 その頃の力士は、指を何本か束ねて包帯で幾重にも巻いて固め、張り手や差し手の強力な武器として使ったので、禁止されたが、いつのまにか、またやっている力士がいる。

 今回のファッションショー出場事件で、公然と声高に異議を唱えた日本相撲協会にかかわりのある識者は、内館牧子さんただ一人。

 武蔵川理事長は、何を考えている? 就任後の彼の評判は悪くないが、こと朝青龍に関しては「?」だ。
 彼の現役時代の四股名(しこな)は、三重の海。その名からわかるように、三重県(松坂市)の出身。松坂は伊勢神宮の近く。そういうところで育ったのだから、相撲が神事と結びついているという意識は人一倍強いはずだ。

 大相撲は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る伊勢神宮に「奉納相撲」を行なっている。
 そういう国技を異国人に愚弄されても、理事長は文句ひとついうわけでもない。
 私も三重県出身だ。同県出身者として、「腑抜けになってしまったのか、三重の海?!」といいたい。 

 「不易流行」(ふえきりゅうこう)という言葉がある。世の中には「時代が変わっても、変わらないもの」と「時代とともに、変化していくもの」のふたつがあるということだ。相撲は、いうまでもなく、「不易」の方だ。

 興行の仕方が変わり、土俵から4本柱がなくなったことや制限時間が昔より短くなっていることなどをさして、「相撲も時代とともに変わっている」という人がいるかもしれないが、髷(まげ)の形、まわし、力水、横綱の土俵入りの型といった相撲の基本的な形、そのまま長く継承されている。

 一見、「古くさい」ように思える形式的なことこそが伝統であり、日本の文化なのである。そういうことを大事にしない民族は滅びる。

 相撲の面白さは、体はさほど大きくなくても、技や力にひいでた力士が、体力的にはるかに上まわる巨漢力士をぶん投げたり、ひねり倒したり、打っちゃったり、あるいは相手にまわしをあたえることなく、目にもとまらぬ速攻で相手を一気に押し出す醍醐味にある。

 千代の富士がその代表格だったが、高見山に始まり、曙や武蔵丸といった肉食人種による〝相撲界の黒船〟が上陸して以降、力士の〝巨デブ化〟や〝筋トレによるサイボーグ化〟という現象が顕著になった。

 彼らに習ったわけではなかろうが、ちゃんこも、いつのまにか洋風化し、足の長い日本人力士が増えた。
 日本人の若者が相撲取りになりたがらない時代で人材不足の大相撲ではあるが、外国人にいいようにされても、そういう連中を土俵でねじ伏せられない日本人力士というのも、また情けない。

 オリンピックのレスリング選手や柔道選手として活躍した大和男児たちよ、K-1などの「四角いリング系格闘技」へのみ転進しないで、「丸い土俵の相撲界」へ入って外国人を倒してやりたいという元気のいい奴はいないのか?

(城島明彦)

2009/03/14

YouTubeに感謝! 聴きたかった曲「幸せを摑んじゃおう」が聴けた!

 金田星雄と小宮恵子といっても、今の若い人は誰も知らないだろうが、彼らは歌手であった。1960年代の話だ。
 
 1964年に彼らがデュエットした青春歌謡「幸せを摑(つか)んじゃおう」(キングレコード)は、結構ヒットした曲だが、3、4年前にインターネットで検索しても情報がほとんど引っかからなかった。

 しかし最近は、当時、高校生だった団塊世代を当てこんでか、当時のヒット曲をピックアップしたヒット曲集と銘打った一部のCDのなかに組み込まれるようになり、曲の冒頭部分を視聴できるようになった。

 長い間聴きたいと思っていた曲ではあるが、それ以外の聴きたくもない曲がワンサカ入っているCDは買いたくもない。シングルのCDが復刻されたら、それだけを買いたい。

 そう思っていたら、最近、彼らがデュエットした別の青春歌謡「ふたりで駈けよう」が「You Tube」に登場した。

 「この曲が出てくるなら、『幸せを摑んじゃおう』も近々(ちかぢか)出てくるのではないか」と期待していたところ、そのとおりになった。

 おかげで、ただで、納得いくまで聴くことができた。提供者にお礼をいいたい。

 小宮恵子は、美人歌手といわれていた人で、当時20歳前後。金田星雄は、400勝投手の金田正一の弟。

 小宮恵子は、多少演歌っぽい歌い方をしているが、透き通るような綺麗な声をしていて好感が持てる。金田のほうも爽やか声質で、好感が持てるデュエットである。

 それにして、この歌がヒットしてから、45年もの歳月が流れている。私もジジイになるわけだ。

(城島明彦)

2009/03/13

「もののけ」とは何か!?

 「もののけ」という言葉を、辞書(小学館「現代国語例解辞典」)でひいてみると、こう書かれている。

 「物の怪(物の気)」。

 「もののけ」には「怪」と「気」――二通りの漢字があることになる。

 「怪」の方は、「怪しい」「妖怪」「怪談」「奇怪」などと使うことから、その意味はおのずと理解できる。

 もう一つの「気」のほうは、「気配」「空気」「大気」「冷気」というように使われる「気」ではないかと推測できる。あるいは、「気持ち」とか「雰囲気」という言葉が浮かぶかもしれない。

 「気持ち」が100%わかるのは、その人自身だけで、ほかの人には「推測できる」程度に過ぎない。要するに、「気」というのは、〝普通は〟見えないものだ。

 しかし、それが見えるときがある。「気力」がそれだ。

 「気」を理解する上で、一番わかりやすいのが「気力」だろう。
 「気力」は「気の力」だから、「気」には「弱い気」や「強い気」があることがわかる。

 「気力」を考えると、これも本人は「気力がみなぎっている」ことを実感できるが、他人の目には、その人の表情の変化とか動きから察して「気(力)がみなぎっているようだ」と思えるだけだ。

 「気が満ちる」という言い方もするから、「気」は、潮のように満ちたり引いたりすると思える。「気迫がある」というときの「気迫」にも、似たようなことがいえる。

 では、「物」というのは何か。

 一般に「物」というと、「物を大切に」とか「物に当たるな」ということから、鉛筆、茶碗、箪笥(たんす)といった「品物」というイメージが先行し、「人」ではないと思ってしまうが、「人物」という言葉がある。つまり、「人」も「物」のなかに含まれるのである。

 ということは、水も空も星も太陽も、森羅万象がすべて「物」ということになるのか?

 そんなことを考えながら、辞書の「物の気」の意味に目を移すと、こう書かれている。

 「人にとりついて悩まし、病気にしたり死にいたらせたりするとされる死霊、生霊、妖怪の類。」

 「もののけ」とは、「人間の心身を蝕(むしば)む悪い気、怪しげな気であり、そういう恐ろしげな気を放つ、あるいは、そういう気を身にまとっている異形の物」ということになる。

 昔の人は、「病(やまい)は気から」といった。説明するまでもないが、「気が弱ってくると病気になる」という意味だ。

 「もののけ」は「気が弱った人」にとりつくのか? 「もののけ」がとりつくから、人が弱るのか?

 昔の人は、その両方だと考えていた。
 怖い夢を見るのは、体が疲れているときであり、気が弱っているときだ。
 金縛りにあうのは、体力が落ち、気が弱っているときなのである。

 死霊、生霊、妖怪の「3大もののけ」のうち、どれが一番怖いかといえば、「生霊」だろう。

 死んだ人が、恨めしげな顔で化けて出てくるのは文句なく怖いし、映画のエイリアンのような化け物に襲われたら怖いが、もっと恐ろしいのは、生きているとわかっている人間が幽霊の姿をして目の前に現れたときだろう。

 今年の夏は、こういうことも頭に入れた怪奇小説を書こうと思っている。

(城島明彦)

2009/03/12

〝害人天国ソニー〟は、一度つぶれた方がよい?!

 ソニーの体(てい)たらくは、今に始まったことではないが、ハワード・ストリンガーという〝害人〟にいいように蹂躙(じゅうりん)されている姿は、かつてソニーの禄(ろく)を食(は)んだ者の目には、ただただ「情けない」としか映らない。

 社外取締役も、意気地なしばかりだ。
 
 中鉢という「人はいいが、凡庸な社長」を切って、自分だけ会長のまま生き残る「ストリンガー」という名のジャーナリストあがりのイギリス人には、日本人に対する愛情などないといってよい。

 彼は、恐ろしい「ストレンジャー」である。企業再建という美名に隠れて、日本人をボロボロにするだけだ。

 ●ストリンガーのスペルは「stringer」
 ●ストレンジャーのスペルは「stranger」(意味:よそ者、エイリアン、異邦人)

 〈i〉と〈a〉――たった1字ちがいだが、〈i〉が入っている「よそ者」のエイリアンにはには「愛」はない。
 
 〝昨今ヨレヨレのアメリカの巨大企業の経営者〟は、巨額の年俸を取って会社を存亡の淵に立たせた。首を斬られた社員や労働者は、蓄えもなく、路頭に迷うが、彼らは潤沢な蓄えがあり、会社がつぶれても悠々自適の生活を送れることになっている。

 ストリンガーは、そういうビジネス社会を生きてきたし、今も生きている。

 ソニーの日本人社員や日本人役員は、「ソニーの日本人魂」を売るつもりなのか!

 アメリカを代表する巨大企業のどこが、ヘッドクオーターのトップに日本人を据えているか。据えているのは、経営に失敗して身売りし、それを日本企業が買収した企業だけだ。

 外国人をトップに据えるのが、「国際企業」の証(あかし)か!?
外国人の役員がわんさかいるのが「世界のソニー」の証か!?

 日本男児のソニー社員よ、奮起せよ!
 君らは、「創業の志」を忘れたのか。大和魂を忘れたか。

 創業者は、外国人にソニーグループを総帥してほしいと願っていたのか!? 答えは「否」だ。

 「日本人の英知と技術力を駆使して作った電気製品で世界を征服したい」というのが、ソニーの創業の志ではなかったのか。

 本土空襲で廃墟と化した敗戦国日本で起業し、戦勝国アメリカのニューヨークの五番街に日の丸とソニーの社旗が翻(ひるがえ)るのを見て、涙した創業者の熱き心を君らは忘れたのか!

 旧コロムビア映画(ソニー・ピクチャーズ)やアメリカのソニーの経営を外国人に任せるならわかるが、ヘッドクオーターの最高司令官に外国人を据えていいのか?

 出井伸之、大賀典雄の二人の歴代CEOは、ソニーを売った。日本を売った。日本人の魂を売った。

 ソニー社員よ! 君が日本人なら怒れ! 奮起せよ! 覇権を外人の手から奪い返せ!

 それが、多くのソニーファンが望む〝ソニー維新〟だ。

(城島明彦)

WBC(一次ラウンド)でアメリカが負けた!

 本家本元のアメリカが、C組の1・2位決定戦で、ベネズエラに3対5で敗れ、日本と同じく2位で2次ラウンドに進出することになり、オランダを5対0で完封したプエルトリコと対戦する。

  日本の次の対戦相手はキューバだが、キューバチームには、巨人のクルーンも真っ青の160キロも出す球を投げる〝とんでもないピッチャー〟がいる。
 こんな怪物は、コントロールを乱してくれない限り、攻略するのは難しいが、どこかにウィークポイントがあるのだろうか。試合が待ち遠しい。

 WBCは、戦前の予想をはるかに上回る人気になっている。
 北京五輪で惨敗し、叩きまくられた代表選手たちの意気込みが違うことや、読売新聞や日テレ以外のテレビ局が競うようにしてWBC関係のニュースを流していることが大きい。

 イチローや松坂が里帰りしている姿も、興味を引く。

 「侍ジャパン」という斬新で新鮮なネーミングが果たした役割も大きい。
 
 最終的にどうなるかはわからないが、今までのところでは、読売グループに対抗してWBCへの選手派遣を断った中日新聞・中日ドラゴンズは、選択を誤った観があり、浮いた存在になっている。

 WBCのテレビ中継を見ても、中日ファンは「元中日選手」の福留や川上に違和感を感じながら声援を送るしかない。
 
 「北京での星野によるドラゴンズ選手つぶし」の悪夢が頭にあったにしろ、監督の落合が拒まなければ、井端と荒木は中日代表として選抜チームに混じっていたはずで、ファンとしての楽しみを落合は間違いなく奪っている。

 ペナントレースが始まって、中日がボロボロ負けるようだと、ファンの怒りは爆発することになろう。逆に、ぶっちぎりで中日が独走し、優勝でもすれば「さすが、落合。やることが違う」ということになる。
 身勝手そのものではあるが、これが、ファン心理というもの。

(城島明彦)

2009/03/11

WBC「日韓戦」東京ラウンド(1・2位決定戦)の敗因は?

 日韓戦は「0対1の僅差での惜敗」ではあるが、大きな敗因とされるのは3つある。
 
 (1)2日前の韓国戦で打棒爆発したために、打者が当てにいくという感じではなく、大振りした。
 (2)イチローにつなぐ岩村の大ブレーキ。
 (3)(結果論になるが)8回ワンアウト、一塁走者イチローのところで、原監督はバントの指示を出した。

 (1)の大振りについては、ペナントレースのダブルヘッダーの第1線でダブルスコアで大勝したチームが、第2戦では完封負けというケースは多々あり、「打線は水もの」ということは選手もわかっているし、気持ちを引き締めてかかったであろうとは思うが、「油断」のようなものがあったのではないか。

 (2)の岩村については、原の責任。どんな名打者でも好不調の波はあるし、体調のよくないときもある。岩村には大リーガーとしての誇りがあるから、自分だけがヒットを打てないと、更なるプレッシャーを感じ、ますます打てなくなってしまう。
 小笠原同様、先発からはずし、代打で起用という手もあったのではないか。

 (3)の「1点差を追う8回ワンアウトで一塁走者イチローの場面」だが、あのケースでは次の3つのパターンが考えられた。
   (A)ワンアウトなので、ヒッティング狙い(ヒット&ランも含む)。
   (B)イチローにスチールさせる。
   (C)送りバント
 原が選んだ戦法は(C)だったが、送りバントが成功してもツーアウトになり、得点の確率は下がる。原采配は、「野球はツーアウトから」を信じ、次打者がヒットを打つことを期待しての采配だったが、その読みははずれた。
 その戦法が正しいか否かは別にして、問題視されるのは、イチローに盗塁の指示は出さなくても、リードを大きくとらせ、「走るぞ、走るぞ」と見せかけて、韓国の投手を揺さぶるという手はあったのに、なぜそうさせなかったかという点だ。

 原監督は「14点取った後の試合で0点。これが野球で、相手投手にいいところに投げられたら、打ことができない」とコメントした。
 原のいうことはもっともだが、「14点も取れたのに、次は0点というのでは、あまりに情けない」「采配らしい采配が見られなかった」と批判する声も出ている。
 2次ラウンドの緒戦で、原がどういう采配をするか、見ものだ。

(城島明彦)

2009/03/10

WBC「日韓戦」(1・2位決定戦)敗北の戦犯は、誰か?

 3月9日のWBC東京ラウンド(1・2位決定戦)は、「日韓あわせて1点と、点こそ入らなかったが、いい試合だった、」というのが、大方の感想だろう。

 短期決戦で負ける場合、必ずといっていい敗因がある。
 それは、本来の力を出せずに、「ブレーキになる選手の存在」である。
 今回の「WBC・東京ラウンドでのA級戦犯」では、ノーヒットを続けている〝モヒカン男〟岩村がそれだ。

 「大リーガーではあっても、見ていて打てる気がしない。これだけカラ回りしているのだから、下げたらどうか」
 と思った野球ファンも多かったろうが、それでも使い続けた理由は何なのか、よくわからない。

 「それにしても、韓国は強い」
 「日本は、大リーグに韓国を遥かに上回る数の選手を送っているが、実力では韓国のほうが上かもしれない」

 そう思った観戦者が多かったのではなかろうか。

 日本選手は「勝たなければ」という思いが強いように見受けられたが、イチローにいわせると、韓国の方がプレッシャーは強かったはずだという。

 韓国選手は、2日前に14対2という〝歴史的大敗〟を喫していたのだから、「このままでは、どの面して国に帰ればいいのか」と屈辱的な思いにかられていたに違いない。

 韓国選手は戦争を知らない世代。「母国が、そして韓国人が、その昔、日本と日本人からどう扱われてきたか」という屈辱的な歴史を、父母あるいは祖父母から折りに触れて聞かされてはいるだろうが、直接は知らない。

 だが、彼らがそうした過去を意識する、しないに関わらず、彼らの血のなかには、〝怨念と執念のDNA〟が脈々と生き続けている。

 北京五輪で、9回2アウトでライト飛球をとった瞬間、地面に突っ伏して号泣した韓国選手の姿が、まさにそれだった。

 テレ朝の実況中継のアナウンサーは、昨日の日韓戦で、その選手のことを紹介していたので、私は改めて北京の光景を思い出した。

 若い世代にはわからないだろうが、あの光景は、ただうれしくて地面に突っ伏したというだけではないのだ。

 韓国の監督の顔つきが原の顔つきと違うのも、それだ。彼は、国家や先祖の怨念を背中にしょっている。

 しかし、勝負の世界は、そういう諸々(もろもろ)の事情を超越したところにある。
 どんなに深い怨念をいだいて敵を倒しにかかっても、軽く一蹴されてしまう結果が待っているのが勝負の世界である。

 人間の情としては、「勝たせてやりたい」と願っても、そうはならないのが「真剣勝負」の世界。だからこそ、勝負はおもしろい。そこにあるのは、わずか二文字――「非情」。

 しかるに、北京五輪の監督だった星野仙一には、まるでそういう意識がなかった。
 星野は敗北後、「ゆえなくして自分がバッシングされている」「マスコミがあれこれいうのならいいが、同業者から批判される筋合いはない」などとホームページで反論したり、テレビでぼやいたりしていたが、そういう考え方をすること自体、一般人の感覚と遠く離れている。

 彼には「恥」という感覚がないらしい。その後の言動を見ていると、そのことがよくわかる。
 北京で敗北しても、口では「申し訳ない」といいながら、「リベンジ」だなどといい続け、WBC監督に色気を見せ続けた。監督にふさわしい人材は「自分しかいない」という思い上りがあったからだろう。

 北京五輪での「野球」という種目は、他の球技と違って出場国が極端に少ない。だから、北京以後、なくなったのだ。それなのに「銅メダル」すら取れなかった。陸上や水泳でメダルが取れなったというのとは、根本的に事情が違う。こういう認識も星野にはないのであろう。

 オリンピックはスポーツではあるが、実体はクーベルタンが意図した理想とは遠くかけ離れた「国と国が名誉と威信をかけた戦争」。

 戦いでの指揮官の任務と責任は重い。(戦争を例に挙げるのは正しくはないが、指揮官の重要性、責任という意味でいうなら)太平洋戦争でも、指揮官が誤った判断をしたり、独走して、多大な犠牲者を出した。戦後、敗戦国の指揮官は厳しく罰せられた。

 太平洋戦争では戦勝国が敗戦国の指揮官を裁き、北京五輪では敗戦国の国民が敗戦チームの指揮官を裁いたという違いはあるにしろ、星野が選手をやる気にさせなかったり、故障者を続出させたり、選手起用を何度も誤ったことは、太平洋戦争で部下を無駄死にさせたりしたこととさして変わりはなく、敗戦後は、同じ指揮官として「厳しく指弾され、処罰されて当然」なのだ。

 そういうことが星野はわかっていなかったし、今もわかっていない。
 彼に武士道の魂の一つである「恥」という感覚があったなら、「隠遁」(いんとん)し、表舞台には顔をださなくなったはず。 ところが彼は、頻度こそ減ったにしろ、いまだにマスコミにしゃしゃり出てくる。
 かつて、星野に大声援を送り続けた者としては、「裏切られた思い」がしてならない。というか、彼の本質を見抜けずに応援していたのかもしれない。
 こういうことは、多くの中日ドラゴンズファンの心情だろうと思う。

 さて、原辰徳率いる「侍ジャパン」が、これから先どうなるかは誰にもわからないことだが、「14対2」で韓国に勝った戦いぶりを見て、圧倒的多数の野球ファンは、「原は大きなことは決していわないが、大口を叩きまくる星野よりはずっと力が上だ」と思ったことだけは間違いない。

(城島明彦)

2009/03/08

韓国戦にコールド勝ちで、原辰徳株は急上昇し、星野仙一株は大暴落!

 原辰徳率いる「侍ジャパン」は、3月7日に宿敵韓国チームを「14対2」のコールドゲームで下すという、信じがたい結果を出した。

 野球ファンの多くは、その試合のテレビ中継(テレ朝)を見ながら、「星野が監督だったら、こうはいかなかっただろう」と思ったに違いない。

 スポーツは結果がすべて。「金メダル以外はいらない」と大言壮語して「銅メダル」も取れなかった星野と違って、原は偉そうなことをいわなかったが、選手をその気にさせた。

 画面に大写しになる選手の顔つき、顔色が、北京五輪のときとはまったく違っていた。
 北京五輪のときの選手は生気がなかったが、韓国戦での選手の顔には気迫が漂っていた。

 原は、世論やファンの声を重視し、「原ジャパン」と呼ばれることを嫌い、「侍ジャパン」という呼称を選んだ。「侍ジャパンとは実にいいネーミングで、反対する声は皆無に近いのではないか。
 
 そういう感覚は選手に微妙に伝わる。それが結果に現れた。

 ところで、中日ファンとして気になるのは、落合の胸中。
 WBCに1人も選手を送り込まなかった中日は、今期、「優勝」しかない。もし2位に甘んじるようであれば、「落合はクビ」。しかし、優勝できる戦力なのか?

(城島明彦)

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