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2009/03/10

WBC「日韓戦」(1・2位決定戦)敗北の戦犯は、誰か?

 3月9日のWBC東京ラウンド(1・2位決定戦)は、「日韓あわせて1点と、点こそ入らなかったが、いい試合だった、」というのが、大方の感想だろう。

 短期決戦で負ける場合、必ずといっていい敗因がある。
 それは、本来の力を出せずに、「ブレーキになる選手の存在」である。
 今回の「WBC・東京ラウンドでのA級戦犯」では、ノーヒットを続けている〝モヒカン男〟岩村がそれだ。

 「大リーガーではあっても、見ていて打てる気がしない。これだけカラ回りしているのだから、下げたらどうか」
 と思った野球ファンも多かったろうが、それでも使い続けた理由は何なのか、よくわからない。

 「それにしても、韓国は強い」
 「日本は、大リーグに韓国を遥かに上回る数の選手を送っているが、実力では韓国のほうが上かもしれない」

 そう思った観戦者が多かったのではなかろうか。

 日本選手は「勝たなければ」という思いが強いように見受けられたが、イチローにいわせると、韓国の方がプレッシャーは強かったはずだという。

 韓国選手は、2日前に14対2という〝歴史的大敗〟を喫していたのだから、「このままでは、どの面して国に帰ればいいのか」と屈辱的な思いにかられていたに違いない。

 韓国選手は戦争を知らない世代。「母国が、そして韓国人が、その昔、日本と日本人からどう扱われてきたか」という屈辱的な歴史を、父母あるいは祖父母から折りに触れて聞かされてはいるだろうが、直接は知らない。

 だが、彼らがそうした過去を意識する、しないに関わらず、彼らの血のなかには、〝怨念と執念のDNA〟が脈々と生き続けている。

 北京五輪で、9回2アウトでライト飛球をとった瞬間、地面に突っ伏して号泣した韓国選手の姿が、まさにそれだった。

 テレ朝の実況中継のアナウンサーは、昨日の日韓戦で、その選手のことを紹介していたので、私は改めて北京の光景を思い出した。

 若い世代にはわからないだろうが、あの光景は、ただうれしくて地面に突っ伏したというだけではないのだ。

 韓国の監督の顔つきが原の顔つきと違うのも、それだ。彼は、国家や先祖の怨念を背中にしょっている。

 しかし、勝負の世界は、そういう諸々(もろもろ)の事情を超越したところにある。
 どんなに深い怨念をいだいて敵を倒しにかかっても、軽く一蹴されてしまう結果が待っているのが勝負の世界である。

 人間の情としては、「勝たせてやりたい」と願っても、そうはならないのが「真剣勝負」の世界。だからこそ、勝負はおもしろい。そこにあるのは、わずか二文字――「非情」。

 しかるに、北京五輪の監督だった星野仙一には、まるでそういう意識がなかった。
 星野は敗北後、「ゆえなくして自分がバッシングされている」「マスコミがあれこれいうのならいいが、同業者から批判される筋合いはない」などとホームページで反論したり、テレビでぼやいたりしていたが、そういう考え方をすること自体、一般人の感覚と遠く離れている。

 彼には「恥」という感覚がないらしい。その後の言動を見ていると、そのことがよくわかる。
 北京で敗北しても、口では「申し訳ない」といいながら、「リベンジ」だなどといい続け、WBC監督に色気を見せ続けた。監督にふさわしい人材は「自分しかいない」という思い上りがあったからだろう。

 北京五輪での「野球」という種目は、他の球技と違って出場国が極端に少ない。だから、北京以後、なくなったのだ。それなのに「銅メダル」すら取れなかった。陸上や水泳でメダルが取れなったというのとは、根本的に事情が違う。こういう認識も星野にはないのであろう。

 オリンピックはスポーツではあるが、実体はクーベルタンが意図した理想とは遠くかけ離れた「国と国が名誉と威信をかけた戦争」。

 戦いでの指揮官の任務と責任は重い。(戦争を例に挙げるのは正しくはないが、指揮官の重要性、責任という意味でいうなら)太平洋戦争でも、指揮官が誤った判断をしたり、独走して、多大な犠牲者を出した。戦後、敗戦国の指揮官は厳しく罰せられた。

 太平洋戦争では戦勝国が敗戦国の指揮官を裁き、北京五輪では敗戦国の国民が敗戦チームの指揮官を裁いたという違いはあるにしろ、星野が選手をやる気にさせなかったり、故障者を続出させたり、選手起用を何度も誤ったことは、太平洋戦争で部下を無駄死にさせたりしたこととさして変わりはなく、敗戦後は、同じ指揮官として「厳しく指弾され、処罰されて当然」なのだ。

 そういうことが星野はわかっていなかったし、今もわかっていない。
 彼に武士道の魂の一つである「恥」という感覚があったなら、「隠遁」(いんとん)し、表舞台には顔をださなくなったはず。 ところが彼は、頻度こそ減ったにしろ、いまだにマスコミにしゃしゃり出てくる。
 かつて、星野に大声援を送り続けた者としては、「裏切られた思い」がしてならない。というか、彼の本質を見抜けずに応援していたのかもしれない。
 こういうことは、多くの中日ドラゴンズファンの心情だろうと思う。

 さて、原辰徳率いる「侍ジャパン」が、これから先どうなるかは誰にもわからないことだが、「14対2」で韓国に勝った戦いぶりを見て、圧倒的多数の野球ファンは、「原は大きなことは決していわないが、大口を叩きまくる星野よりはずっと力が上だ」と思ったことだけは間違いない。

(城島明彦)

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