小説家を目指す方は、ぜひお読みください
怪奇短編小説集『怪奇がたり』(扶桑社文庫)が、発売になりました。
小説家志望の方は、ぜひご一読ください。
短編小説の書き方がよくわかるのではないでしょうか。
昨年出版された『恐怖がたり』(扶桑社文庫)が、掌編(ショートショート)を42話集めたものだったのに対し、今回の本は、短編9話です。
日本推理作家協会賞を受賞されている文芸評論家の長谷部史親(はせべふみちか)さんが、解説を書いてくださっています。
本に収載された短編は、次の9編です。
首塚
骨
記憶
鈴
呪殺(じゅさつ)
髑髏盃(どくろはい)
手毬(てまり)
顔
人形
極言すると、小説のテーマは、恋愛物にしろ、推理物にしろ、ほとんど書きつくされています。
「首塚」「鈴」「人形」といった怪奇物のテーマも同様です。
そういうテーマで、どうやったら独自色が出せるか、それまでにない話に仕立て上げられるかが、勝負です。
小説家を目指している人、新人賞を取りたい人が心がけるべき第一の点は、オリジナリティ(独創性)です。
ごくありふれたテーマであっても、オリジナリティがあれば、注目されます。
意外なストーリー展開や意外な結末も必要です。
小説の基本は、「掌編」づくりや「短編」づくりにあります。
どんな分野にもいえることですが、「基本」をないがしろにしたものに、ろくなものはありません。
大リーガーのイチロウの変則打法も、基本がきっちりできているからこそ可能なのです。
ピカソの少年時代の絵を見たことがありますか。そのデッサン力の確かさ、色使いの巧みさ、構成力のすごさに驚いてしまいます。
昨夏出た『怪奇がたり』の掌編42話は、そういうことを意識しながら書きましたので、掌編を書こうとする方には、テーマの処理の仕方、文体、ストーリー展開の仕方、結末をどうするかといったことなどで、参考になろうかと思います。
(城島明彦)
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