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2008/06/12

「名もない草花」は、おバカ表現

 体調が悪く、ベッドに寝てテレビを見ていたら、文筆を業とするかなり有名な人が、

 「名もない草花」

 といったので、驚いてしまった。

 その人が、その草花の「名を知らないだけ」で、99・99%の草花には、すでに名前がつけられている。

 したがって、文章を書くときには、まかり間違っても、

 「道ばたの名もない草花」

 などという表現をしてはならない。

 「(私が)名を知らぬ草花」(古い表現にするなら)

 「名前がわからない草花」(普通に表現するなら)

 「(私が)名前も知らない草花」

 と表現するのが正しい。

 「名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実 ひとつ」(島崎藤村)

 彼が活躍した明治時代には、まだ未発見の島も存在していたにもかかわらず、きちんと表現している。

 なぜ、「名もない」という〝無知な表現〟が使われるようになったかといえば、耳あたりがよいからだ。

 「名もない島にたどり着いた」

 「路傍(ろぼう)の名もない草花に私は語りかけた」

 音読してみると、そのことがわかる。

 だからといって、間違った表現はいけない。

 日本語は正しく使いたいものだ。

(城島明彦)

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