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2008/06/30

日本映画史上で最初に全裸になった女優(3) 肉体派三羽ガラス

 新東宝は、その社名からわかるように、東宝から分派・独立した会社でした。

 分派・独立は、「来なかったのは軍艦だけ」といわれた大労働争議が原因です。

 終戦直後の混乱のなかで起こったその争議は、戦車まで動員された激しい争議だったのです。

 共産党主導の組合のやり方に嫌気がさした俳優(大河内伝次郎、長谷川一夫、藤田進、入江たか子、山田五十鈴、、原節子、高峰秀子ら)や監督たち百数十名が大挙して組合を脱退、東宝を離れて、新しく映画会社を興します。

 それが新東宝でした。

 新東宝も、当初はまじめな映画を作っていたのですが、争議が終結して東宝が再び映画製作を開始すると、大物俳優や監督たちが古巣へ戻ったドサクサに乗じて、大蔵貢が社長に就任して急遽、「エログロ路線」に変更してしまいます。

 新東宝には、団塊世代がその顔と名前をよく知っている丹波哲郎、宇津井健、天知茂、菅原文太、若山富三郎、高島忠夫らの男優陣、八千草薫、大空真弓、池内淳子、久保菜穂子らの女優陣がいましたが、次第に嫌気がさし、他社へ移っていきます。

 そうした動きに抗して新東宝に残り、体を張ってエログロ路線を支えたのが、前田通子、三原葉子、万里昌代(ばんりまさよ)、小畑絹子といった肉体派女優でした。

 前田通子は、今でいうグラビアアイドルです。演技力はゼロに等しいけれど、おとなしげな顔に似合わないアンバランスな巨乳が魅力。

 三原葉子は、演技力のある、日本人体型の太めのグラマー。

 万里昌代は、演技力のあるエキゾチックな風貌の巨乳。

 肉体派3羽ガラスには、それぞれ個性がありましたが、女優として大輪の花を咲かせるまでには至らず、消えていきました。

 新東宝が誕生したのは一九四七年、そして消滅したのが六一年。団塊世代がこの世に生を享けた前後からスタートして、十代前半まで存続した映画会社ということになります。

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(城島明彦)

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