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2008/06/30

日本映画史上で最初に全裸になったグラマー女優(1)

 父に連れられて映画館へ行ったのは、二度しかありません。

 二回目が片岡千恵蔵主演の東映の「大菩薩峠」で、見た座席の位置まで覚えていますが、最初に見た映画の方は、タイトルすら覚えていません。

 けれど、予告編が〝あらかん〟こと嵐寛寿郎(あらしかんじゅろう)演じる大塩平八郎の映画「風雲天満動乱(ふううんてんまどうらん)」だったことは覚えています。

 田舎から四日市という地方都市に出てきて三年目の、一九五七年(昭和三十二)夏の出来事でした。

 入場時に手渡されたパンフレット(A4の半分サイズの大きさで、それが二つ折りにされていました)には、近日上映作品の刺激的な写真も印刷されていました。

 長い髪のグラマー女優が大きな水玉模様のパンティー一枚を身につけただけの格好で岩場に座って、豊かな胸をクロスさせた両手で隠しているだけの大胆なカットでした。

 乳房を両腕でかかえ込むようにして〝寄せて上げて〟隠しているので、豊満さがよけい強調されており、当時、子供ながらも妙に興奮したことを覚えています。

 このとき、著者は小学五年生。風呂屋へ行っても、もう女風呂へは入浴できない年令になっていました。

 映画のタイトルは「海女の戦慄(せんりつ)」で、彼女の名は前田通子(みちこ)。

 前田通子は、ある意味で「日本映画史上に残る女優」なのですが、そのことを知っている人はほとんどいないでしょう。

 もし知っている人がいたとしても、DVDが発売されて以降の近年のことでしょう。前田通子という女優は、知る人ぞ知る存在だったのです。

 実は彼女、日本映画で初めてオールヌードを披露した女優なのです。

 一糸まとわぬ全裸で岩場にすっくと立った姿は、うしろ向きではありましたが、尻の割れ目まで露出していました。

 「海女の戦慄(せんりつ)」の前年に封切られた「女真珠王の復讐」という映画のなかでの出来事です。

 今回、「海女の戦慄」の映画ポスターを調べてみたら、「肉体派№1 前田通子主演」「炎の肉体! 焼けた砂の上の欲情! 悶える乳房に秘めた海底の宝石!」というコピーが書かれていました。

  ――以上は、今、執筆中の原稿より抜粋。

(城島明彦)

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