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2008/05/20

苗字はおもしろい(植物編)

 少し熱があって体調が悪く、朝からほとんど床のなか。いくぶん体調がよいときに起き出して、息抜きにブログ書きというわけで、苗字の第2弾。

 木や花から採った苗字が結構多い。

 代表的なのは、大化の改新で有名な藤原鎌足の流れをくむ「藤原」という苗字。

 ●藤の花
 藤原は本家・本流しかつけることができず、傍流や分家、藤原家にゆかりがあった家などは、「藤」の一字だけを使うことが許されたので、以下のような苗字が生まれた。

  「藤」、「藤田」、「藤木」、「藤森」、「藤川」、「藤本」、「藤山」、「藤井」、「藤代(ふじしろ)」……。

  「本藤」、「佐藤」、「伊藤」、「加藤」、「後藤」、「紀藤」、「斉藤」、「武藤」……。

 (蛇足)
 私が生まれ育った三重県(四日市市)には、「伊藤」「加藤」姓が相当多く、子供の頃は、「伊藤、加藤は馬の糞(くそ)」といっていた。江戸時代の四日市には東海道五十三次の一つがあり、街道を馬がひんぱんに往き来していたのであろう。
 そういう話をしたら、「おれのところでは、佐藤、加藤は、犬の糞というよ」といった友人がいた。その友人の出身地は忘れてしまった。
 
 ●梅の花
 日本の花といえば、古くは「梅」が代表。後に「桜」が国花になる。
 
  「梅田」、「梅本」、「梅宮」、「梅木」、「梅林」、「梅森」、「梅野」……。

 ●桜の花
  「桜」、「桜木」、「桜庭(さくらば)」、「桜森」、「桜井」……。

 ●菊の花
  「菊池」、「菊地」、「菊井」、「菊田」、「菊本」……。案外少ない。

 ●桃の花
  「桃井」、「桃園」、「桃山」、「桃谷」、「桃川」……。


 躑躅(つつじ)、山吹(やまぶき)、桔梗(ききょう)、水仙といった日本の四季を彩る美しい花の名が苗字にならなかったのは、なぜだろうか。

 ●花は観賞しないが、桑、栗、柿などの木になる実は食べられる

  「桑田」、「桑山」、「桑井」、「桑名」……。

  「栗本」、「栗林」、「栗田」……。

  「柿本」、「柿内」、「柿山」……。

 しかし、同じように実を食べる木でも、「ぐみ」、「銀杏(ぎんなん)」、「あけび」などのように苗字に採用されないものもある。

 苗字は単純なように見えて、奥が深いのである。

(城島明彦)

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