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2007/08/15

本当にあった怖い怖い話

 僕は20代後半の2年間、東京都狛江市に住んでいたことがある。
 
 狛江市は成城学園と多摩川にはさまれた街だが、周囲には畑がまだ残っていた。

 僕が住んでいたのは、新築の3階建ての鉄筋アパート。6畳と2畳の台所、半畳のトイレという間取りだった。

 僕の部屋は3階の、南と西に窓のある角部屋。
 
 その部屋で、僕はある晩、怖い夢を見た。

 髪の毛が真っ白で肩のあたりまでたらした老婆が天井から降りてきて、僕の体に馬乗りになって首を絞めたのだ。

 白っぽい浴衣のようなものを着た老婆の顔は、陰になっていて見えなかった。

 必死で抵抗を試みようとしたが、金縛りにあっていて、体が思うように動かなかった。

 このままでは殺されてしまうと思い、僕は渾身(こんしん)の力をふりしぼって、「えいっ」と声を出しながら、両手で老婆の胸のあたりを突いた。

 その瞬間、手ごたえがあり、僕は目を覚ましていた。

 ぼんやりと暗い部屋のなかを、老婆が天井向かって体を水平にした状態で上がり、すっと消えていくのが見えた。

 僕は頭から布団をかぶり、そのまま、また眠った。

 恐ろしいことに、その老婆は次の晩も現れた。

 金縛りにあい、「えいっ」と声をあげて突き飛ばすと、老婆は、また天井のほうに消えていった。

 2日も続けて妙な夢を見たと思って不思議に思っていたら、3日目も同じ夢を見た。

 僕は怖くなって、蛍光灯をともしたまま眠った。

 同じ老婆が、3晩たて続けに出てくるというのは尋常ではないと思い、翌日、その手のことが書かれた本を買って読むと、「『同情してはいけない。同情すると、取りつかれる。人違いだ。二度と出てくるな』といえ」というようなことが書かれていた。

 その晩、僕は眠る前に布団の枕の位置の下に包丁を置き、

 「人違いをするな。もし今日出てきたら、おまえをたたき殺す!」
 
 と声に出していってから、布団に入った。
 
 無論、電灯はつけたままにした。

 そうしたら、老婆は二度と出てこなくなった。

(城島明彦)

  
 
 

 

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