回答乱馬?
ふと頭をよぎった言葉があった。
快刀乱麻。
かいとうらんま、と読む。
若い人が日常会話の中で使うことはまずないだろうが、「世の中、麻のように乱れ」という言い方をしますな。
乱れ絡んだ麻を刀でバッサバッサと斬っていくのが「快刀乱麻」であります。
「快刀乱麻を断つ」などといいますな。
複雑に入り組んだ事件や紛争をきびきび、てきぱきと片付けていく様をそう表現しております。
1970年代前半にそのものずばりの「快刀乱麻」という連続テレビ時代劇があったようだが、団塊世代のはしくれに連なる私などは、「快刀乱麻」から「快傑黒頭巾」を連想してしまいます。
怪傑黒頭巾といえば、大友柳太朗の当たり役。ついでにいうと、丹下左膳や鞍馬天狗も当たり役。
大友柳太朗といっても、若い人はご存じないでしょうなあ。
〝映画の黄金時代〟昭和30年代に東映時代劇の主役だったおじさんだ。
市川歌右衛門、片岡千恵蔵、大友柳太朗、東千代之介、大川橋蔵、中村錦之助……団塊少年たちを熱狂させた大スターであります。
昨今のテレビタレントとは格が違います。
おっと、快刀乱麻が脱線してしてしまった。
何がいいたいかというと、日本語にはイメージをふくらませてくれるすばらしい熟語があるということであります。
(城島明彦)